下村博文 元文科相
「そういうことが問われればね、ブログでね、もうすでに書いてあります」
『週刊文春』10月26日号
東京11区から出馬している自民党の下村博文氏は、文部科学相だった2013年と2014年、加計学園の当時の秘書室長から下村氏を支援する政治団体「博友会」の政治資金パーティー券の費用として、現金で計200万円を受け取ったことが明らかになっている。博友会は政治資金収支報告書に金額を記載していなかった(『週刊文春』7月6日号)。
下村氏は「加計学園からではない」と否定し、「11名の個人と企業」から加計学園の秘書室長が預かったものだと説明している(朝日新聞デジタル 6月29日)。下村氏は「選挙(都議選)が終わったあと、疑念があれば丁寧にお答えする」と語ったが(BuzzFeed JAPAN 6月30日)、その後、説明のための会見などは開いておらず、衆院選の街頭演説でも触れていない。安倍首相とまったく同じパターンだ。
ちなみに下村氏が語っている「ブログ」とは6月29日に記された「7月6日号週刊文春の記事についての反論表明」と題されたものであり、会見と同じく「11名の個人と企業」などについての説明はない。
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竹下 亘 自民党・党総務会長
「法務省では『神様、仏様、金田様』と言わんばかりの感謝をしている」
朝日新聞デジタル 10月13日号
秋田2区から出馬している金田勝年前法相。改正組織犯罪処罰法(「共謀罪」法)の国会審議では答弁が迷走を続けていたことは記憶に新しい。与党は法務委員会での金田氏の答弁を減らすため、法務省幹部を常時出席させる異例の対応まで行った。しかし、金田氏の応援のために秋田県を訪れた竹下氏は、金田氏を手ばなしで称賛。「後世の歴史家は金田法相を必ず評価する」とまで言った。すごいな。
金田氏も「法相として通常の何倍も仕事をした」と自画自賛。「過去三つの内閣をもってしても成立できなかったが、法務大臣として無事成立させることができた」とも語っている(『週刊文春』10月26日号)。「私も大変だったが、もっと大変だったのは徹夜で答弁を用意する法務省の職員」とねぎらったが、だったらもう少しまともな答弁をしたほうが良かったんじゃないだろうか(秋田魁新報 10月19日)。
なお、金田氏は地元の自民県議に「国会答弁のテレビ映像が何度も流れ、女性票が離れてしまった」と嘆いているらしい。夕刊フジの「落選危機にある与野党大物・著名候補25人」リストにも、一昨年に違法献金疑惑で辞任した西川公也氏らと一緒に、しっかり名前が載った(10月17日)。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「彼らの失敗が底辺に積もって不信感を助長した。有権者は忘れていない」と指摘している。