安倍晋三 首相
「“モリカケ”ばかりで来るだろうと思っていたけど、予想通り。もうメディアじゃなくなってるね」
『週刊文春』10月26日号
TBS『NEWS23』やテレビ朝日『報道ステーション』に生出演した安倍首相。森友・加計学園問題について質問を浴びたことにご立腹だったようで、周囲に「もうメディアじゃなくなってるね」とぶちまけたそう。
安倍首相の支持者は喝采を送るのだろうが、何度も繰り返すが、「批判も受け止め国民に説明もしながら選挙を行う」と語ったのは首相本人だ(日テレNEWS24 9月25日)。それがいつの間にか「国会で丁寧に説明を重ねてきた」と過去形に変化し、街頭演説では一切触れずじまい。こういう言行不一致が「人柄を信用できない」という声につながっているというのに……。
『週刊文春』は「モリカケ問題のみならず、ほかの自民党議員の疑惑についても、選挙に勝つことで、一定のみそぎは済んだことになってしまいます」という政治部デスクの声を紹介している(10月26日号)。加計学園が来春の開学を予定している岡山理科大の獣医学部は、衆院選翌日の23日に認可されるという情報もある。一連の疑惑について首相が「丁寧に説明」する機会はなくなってしまうのかもしれない。
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小池百合子 希望の党代表・東京都知事
「この東急ハンズにもニトリにもいろんなもの売ってますけども、ちょっと足りないのが希望」
ハフィントン・ポスト日本版 10月20日
失速が伝えられる希望の党。排除したはずの立憲民主党を議席で下回る可能性も出ており、小池百合子代表の街頭演説も以前のように威勢のいいものではなくなっている。
13日、都内で演説を行った小池氏だが、主な話題は都議会での受動喫煙防止条例制定の実績だったという(『週刊新潮』10月26日号)。「今度の選挙は政権選択選挙になる」と宣言していたわりには、話題のスケールが小さい。一方、公約の原発ゼロや憲法改正についての話題はほとんど出なかった。
15日には意味不明の演説をしてしまった。町田の東急ハンズ前に陣取った小池氏は、「東急ハンズやニトリに希望が足りない」とぶち上げたのだ。映像を見ても、前後の脈絡がわからない。言うことがなくなってしまったんだろうか。東急ハンズの公式ツイッターは18日、「東急ハンズでは、お客様の『希望』を叶えたいと、スタッフ一同がんばっています」と反論してみせた。希望の党の失速をあらためて思い知る珍言だった。ユリノミクスはどうなった。
東急ハンズでは、お客様の「希望」を叶えたいと、スタッフ一同がんばっています。それは、ニトリさんも一緒だと思います。もちろん、これからもずっと、がんばります。
— 東急ハンズ (@TokyuHands) 2017年10月18日
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稲田朋美 前防衛相
「この一年間大変ご心配おかけしました。ガラスの天井にぶち当たって立ちすくむこともありました」
『週刊文春』10月26日号
「防衛省、自衛隊としてもお願いしたい」発言問題、PKOの日報問題などで防衛相を辞任した稲田朋美氏だが、福井1区から出馬した選挙は安泰の様子。演説では「ガラスの天井にぶち当たって立ちすくむこともありました」と言っていたそうだが、「ガラスの天井」とは資質や成果にかかわらず、マイノリティや女性の組織内の昇進を妨げる見えない障壁のことを指す。稲田氏が辞任したのは「女性だから」ではなく、明らかに本人の資質が問題だったと思う。話をすりかえすぎ!
衆議院解散に関する報道の直後から、地元で精力的に挨拶まわりをしていた稲田氏。有力な後援者には防衛相辞任の経緯を「官邸が岡部さん(陸幕長)だけじゃなくて、黒江さん(防衛事務次官)まで辞めさせると聞き、官邸にすぐにアポを取り、総理に自分も一緒に辞任することを申し出た」と説明していたという。安倍首相から何度も慰留されたが、「自分の信条として、あの2人が辞任するのに、自分だけ大臣の座に残ることなんて絶対にできない」と強く主張し、ようやく「辞任を認めてもらえた」のだそう(『週刊新潮』10月5日号)。なんだか、すごくカッコよく聞こえるのですが……。