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4歳児は一日中テレビとゲーム、0歳児は食欲不振に

 上の子は普段から聞き分けの良い子。「日本はなかなかお外に出られないの」と、子どもなりに理解したようで、無理を言わなかった。インドでは現地の学校に行っていて、この1年はずっとリモート授業を受けてきたが、いまは夏休み期間。「たいくつ」。絵本が好きで、持ってきていたお気に入りの「100かいだてのいえ」「サンタのなつやすみ」はすでに暗記してしまった。

「私が仕事で、ユカも下の子の世話などで相手してやれないとき、その2冊を交互に声を出して読んだりしていましたが、テレビとゲームの時間がどうしても増えてしまって、後ろめたかったですね」

4歳の長男はエンドレスでタブレットに向かっていた

 テレビは決まった番組だけ、ゲームは30分まで、と決めてきたルールなどすぐにぶっ飛び、テレビは一日中ほぼつけっ放しの状態に。「おかあさんといっしょ」「キッチン戦隊クックルン」「コレナンデ商会」「はなかっぱ」「みいつけたっ!」……。ゲームはタブレットで「Hot Wheels」「Khan Academy kids」を繰り返すことに。

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「普段は私によく『と~ちゃん、クルマ競争しよう』とか『ぬいぐるみでお店ごっこしよう』とか誘ってきていたんですが、オモチャのクルマもぬいぐるみもたくさん持ってきてないから、できない。『じゃあ、と~ちゃんから遊びを提案して』と言うので、ホテルの備品のメモ帳に恐竜の絵を描いてやり、塗り絵をしましたっけ。やんちゃなほうでないので、なんとか保つことができたって感じですかね」

 下の子の体は正直だった。急に食が細くなり、1瓶を食べていた離乳食の半分ほどを残すようになったという。

届いた差し入れの荷物は、開けて点検した形跡が

   3日目。ユカさんの親から差し入れの段ボール箱が届いた。案の定、梱包のテープの色が変わっていて、開けて中身を点検した形跡が見てとれた。「なんだかなー」。不愉快感が拭えなかった。

ユカさんの母親からの差し入れ。中身は点検されていたようだ

「家でのリモートワークは、この1年散々行ってきましたが、インドのマンションには私専用の部屋があったので、大違い。『しーっ』と上の子を何度も制したし、下の子が泣き出すと打ち合わせ通話の声は聞こえないし。会社がすべて了解済みなので助かりましたが、もう1部屋あてがってほしかったと切実に思いました」