田原俊彦、トシちゃんが今年で還暦。6月21日でレコードデビュー42年目に突入した。

 トシちゃん60歳なのか! 数字的にはそうなのだが、トシちゃんのオーラは相変わらず「アイドル」で、私も乙女だったあの頃に一気に引っ張り戻される。「心はティーン」になるのである。

相変わらず脚が上がっている!

 少し前になるが、2月27日(土)、BSプレミアムで放送された「田原俊彦“還暦前夜!”スぺシャルワンマンライブ」を観た。

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 チャンネルをあちこち変えているうち、偶然歌っているトシちゃんが映ったのだが、「おお、相変わらず脚が上がっている!」と前のめりになった。リモコンを持ったまま、華麗なパフォーマンスに釘付け。ダンスはキレッキレのまま、甘い歌声は昔より力強くなっている。そしてなによりトシちゃん、なんと楽しそうなのか!

2019年のデビュー40周年ライブ ©文藝春秋

「カッコいい……」

 自然に声が出た。紆余曲折がありながら、見事なまでに「トシちゃん」を続けていた田原俊彦のプライドを目の当たりにし、感動してしまった。

1980年から吹き荒れた“たのきん旋風”

 田原俊彦が最初に注目されたのは、1979年に放送されたドラマ「3年B組金八先生 第一シリーズ」の沢村正治役。私は山田麗子役の三原順子(現:三原じゅん子)さんのファンだったが、トシちゃんと順子さんだけとびぬけて大人びていて、ドキドキしたのを覚えている。

 このドラマで人気が出た同じジャニーズ事務所所属の近藤真彦、野村義男の3人で結成されたのが「たのきんトリオ」。1980年から吹き荒れたたのきん旋風は本当に凄まじかった。

 私の周りは、姉を筆頭にトシちゃんファンが多かった。姉はシングル、アルバムすべてを買い揃え、バックで華麗な踊りを披露していたジャパニーズ(ジャPAニーズ)の4人のチェックもかかさなかった。また、ある同級生は習字の自由練習で何枚も「田原俊彦」と書き、それが素晴らしく達筆で、先生を驚かせていた。