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「ACLの決勝でもあそこまでの緊張感はなかったです」 元サッカー日本代表が“ヤクザ映画”に出演して感じた「役者の凄み」

播戸竜二さんインタビュー #1

2021/07/04
note

――どんな失敗を?

播戸 撮影の1カ月前くらいに東映東京撮影所で衣装合わせがあって、大泉学園駅に現地集合時間の20分前に着いてタクシーを待っていたら全然来なくて。新人が遅刻するってあり得ないじゃないですか。調べたら撮影所まで徒歩20分と書いてあったんで、ヤバいと思って走っていって、最後はもうダッシュで。

 それでも遅刻してしまったんですけど。白石監督はじめみなさんいたんで、すみませんともう平謝りで。「ダッシュで来たヤツは初めてだ」と言われました。汗だくだったんで衣装さんにも申し訳なくて。

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サッカー界にも参考になる映画の世界

――演じた舞台となった賭場も初めて知る世界だったと思います。

播戸 手本引というもので、一応資料とかも送ってもらっていたんです。でも読んでもこれがまったく分からない(笑)。花札なら分かるんですけど、ルールが全然違うので。(撮影)前日に1時間半ほどのリハーサルがあったので、こうやるって(指南する人から)教えてもらって。でもすぐに覚えられるものではないので、こんなんで本番は大丈夫なんかなってちょっと心配にはなりました。

――播戸さんの両隣にいた方もかなり迫力ありました。

播戸 後で知ったんですけど、両隣の方は映画館を経営されているそうで。だから面白いですよね。俳優さん、スタッフさん、配給する映画会社、上映する映画館…みんなが協力してタッグを組んで一つの作品をつくっていくんだなって、映画って凄いなって思いました。

 

――実際、映画づくりに参加したことでサッカー界が学べるところもある、と。

播戸 サッカーにも、プレー以外のところでエンタメの要素ってあると思うんです。サッカーを知らない人やあまり興味のない人にも広げていかないと、パイって広がっていかないと思うので。プロモーションの仕方一つ取ったって、興味を持たない人にもどうアピールしてどうアプローチしていくか。そういうところも凄く参考になるんじゃないかって感じましたね。(後編に続く)

撮影=深野未季/文藝春秋

INFORMATION

「孤狼の血 LEVEL2」

2021年8月20日公開予定

映画公式HP

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