アスリートから俳優に――。
そんな転身劇と聞くと、ボクシングの赤井英和や競泳の藤本隆宏らがパッと思いつく。テレビドラマ『ノーサイド・ゲーム』に出演したラグビーの広瀬俊朗や、プロ野球からは元阪神タイガース投手でテレビ、映画で活躍する嶋尾康史らもいる。Jリーグからは徳島ヴォルティスなどで活躍した青山隼が俳優に転身している。
もっと俳優に挑戦する人がいてもいい。もっとエンタメを学んでみるのもいい。
Jリーグ特任理事でもある播戸竜二が『孤狼の血 LEVEL2』(8月20日公開)に「賭場の客」役として出演したのは、エンタメ界とサッカー界の結びつきを太くしたいという願いがあったからこそだという。そこには、Jリーガーのセカンドキャリアに一石を投じたいとの考えもあった。
◆◆◆
映画ファンにサッカーのことも知ってもらえるチャンス
――今回の映画出演は、引退するJリーガーのセカンドキャリアに「俳優」の道も選択肢になるきっかけづくりになればと考えたとか。
播戸 サッカー選手って体もシュッとしているし、イケメンも多いですからね。可能性はあるんじゃないか、と。青山選手の俳優挑戦は凄くいいことだと思ったし、もっとそういう人が出てきてもいいんじゃないかと。たとえば現役選手でも、シーズン中は難しいとしても、もし映画出演とか話があればオフならやっていいと思うんですよ。特に支障はないでしょうし。
自分のことを映画の世界で知ってもらえるだけじゃなく、映画ファンにサッカーのことも知ってもらえる。つまりサッカーにあんまり興味を持っていない人にもリーチできるって考えればいいと思うんです。逆にサッカーは知っていても映画はあんまりっていう人に対して、出演する選手を通して映画を広めていけることだってできる。ジャンルは違うけど、お互いに盛り上げることができるんじゃないかって、今回の出演を通じて感じることができました。
――現役選手が映画に出演することはプラスになると?
播戸 いろんな経験をすることで人間としての幅も広がりますし、そうなるとサッカーの見え方もまた違ってくる。僕は若いころに割と早く指導者ライセンスを取得したんですけど、監督の視点で考えるようにもなりました。人間としての幅を広げることで、いろんな視点でサッカーを見られるようになることはプラスになると僕は思いますね。