――だからこそ市場を大きくしていくことを考えていかないといけない、と。
播戸 表現は悪いかもしれないですけど、サッカー村の人たちで祭りをやっているだけじゃダメだと思うんです。村のなかを色濃くしていくのはいいとしても、周りにいる人たちをどんどん引き込んでいく必要があると思っています。その意味でもエンターテイナーの意識を持つのは大切なんじゃないですかね。
映画を通じてもっとサッカーをアピールしていきたい
――確かにカズさんはJリーグの初代MVPに輝いて風船のなかから赤いスーツで登場するなど、エンターテイナーでもありますよね。
播戸 アスリートはアスリート(に専念)と振り切るのも大事ですけど、僕はアスリートとエンターテイナーのバランスを取ることも大事だと思っています。そうなると自分の力だけでは無理。PRやマーケティングも考えて、メディアの力も借りて、周りと一緒にそこはやっていかないといけない。
――入り口を広くして、興味を持った人を引き込んで魅力を伝えていく、と。
播戸 そうです。サッカーで体を動かせば健康になるし、コミュニティづくりにもなる。仲間と一緒に成長できるし、僕自身、学校で一緒にボールを蹴っていた仲間たちとは今もずっとつながっています。Jリーガーになってからもいろんなクラブでプレーしてきましたけど、どこかで会ったら思い出話に花を咲かせたりする。それって凄い宝物じゃないですか。
――映画界とサッカー界が何かつながっていきそうな予感はありますか?
播戸 僕が映画に出演させていただいたこともそうですけど、4月から中学生の女子サッカーを舞台にした『さよなら私のクラマー ファーストタッチ』(東映)が公開されています。僕は今、9月に開幕する女子プロサッカーリーグのWEリーグの理事を務めているので、この映画を通じてもっと世間に女子サッカーをアピールしていきたいなとも考えています。逆に映画界からも、「もっと一緒にやっていきましょうよ」ってなればいいですけどね。