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熱海市の対応はどうだったのか?

「自宅にいるのは怖い」と、母親と近くのホテルに宿泊していた50代の男性は、熱海市の対応にも疑問を抱く。

「こんなことになるなんて夢にも思わなかった。そもそも市の対応もまずかったのではないか。放送で災害について流れたのは、土砂崩れがあった後です。『どこかの造園のあたりで土砂崩れが起きました』という内容だったが、地元の自分からしてもそれがどこかがわからない。なので、慌てて避難しました」

土石流は住宅地を飲み込んでいった 住民提供

 熱海市は土石流が発生した時点で市内全域に、高齢者や体の不自由な人などに避難を始めるよう呼びかける“警戒レベル3”にあたる「高齢者等避難」の情報を出していた。だが、“警戒レベル4”にあたる、住民全員に対する「避難指示」は出していなかった。

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 男性は「もし逃げ遅れた理由が、避難指示が出なかったからだとしたら本当にまずい。近くの知人によると、『80棟くらいが流されていて、大きな被害が出ているんじゃないか』とのことでした。何人の尊い命が奪われたのか――。1日で、平穏だった日常がふっとんでいきました」と肩を落とした。

©️時事通信社

市長は「(落ち度が)全くないとはいえない」

 3日に会見した熱海市の斉藤栄市長は「2日の段階で降水量がピークを超える見込み、3日午前で雨は弱まるとの予想だったので警戒レベル引き上げを見送った。結果として災害が起きており、(落ち度が)全くないとはいえない」と話した。

 大規模災害の被害の全容は、まだ見えてきていない。

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