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年間270泊する私がグッときた、ホテルの「ちょっとした気遣い」10選

2021/08/01

 ホテルにとって、快適に滞在してもらうことは最も重要なテーマだろう。広い客室や上質な家具、素敵なデザインや大胆なアートにももちろん感動する。だが、今回注目するのは“ちょっとした気遣い”だ。ちょっとした気遣いや何気ないゲスト目線で、思いがけずスムーズに過ごすことができることもある。ホテルの奥深い魅力はそんなところにもあるのかもしれない。

 コロナ禍以前はホテルに年間270泊していた筆者は、いつもホテルそのものをレポートしているが、今回はホテルの“ちょっとしたサービスや設え”に注目。感心したり思わず唸った体験を紹介したい。

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福山ニューキャッスルホテル(広島県福山市)“ブッフェボードの穴”

福山ニューキャッスルホテル ハイフロアからは福山城と新幹線が見える

 広島県福山市随一のシティホテルである「福山ニューキャッスルホテル」は、JR福山駅から徒歩1分という最高立地でもあり、ハイフロアからの福山城&新幹線ビューはなかなかの光景。ロビーの生花に迎えられ、スタッフのホスピタリティマインドにも癒やされる。

福山ニューキャッスルホテル ブッフェボードの穴が秀逸

 グルメなホテルでもあり和洋中ともホテルクオリティの料理を堪能出来るが、そんなホテルのブッフェ朝食で感心したのが汁物のセッティングだ。ブッフェボードで味噌汁などの入った大きなスープジャーを見かけるが、時に高すぎてお椀に注ぎにくいことも。こちらではボードに穴が空いており低いポジションで難なく注げた。

ふふ熱海 別邸「木の間の月」(静岡県熱海市)“ソファのわずかな傾斜”

ふふ熱海 別邸「木の間の月」

 熱海、奈良、京都、日光といった人気観光地に展開する「ふふ」といえば、日本のスモールラグジュアリーシーンを牽引するブランドであるが、1号店である「ふふ熱海」に別邸「木の間の月」が誕生した。アメニティ類や備品のセレクトは言わずもがな。スイッチ類のポジションやタッチの感触、計算し尽くされた照明にもラグジュアリーを感じる。

ふふ熱海 別邸「木の間の月」 ソファ座面の微妙な傾斜が素晴らしい

 中でも感心したのが大きなソファ座面片側の微妙な傾斜。枕を置いたほどの高さではない。少しだけ傾斜しているのだ。傾斜の理由をホテルの人に聞いてみると“ソファに寝転がって中庭を望むための最適な角度”という。そんなことにまで気遣う宿に、人生の大切な何かを教えてもらったような気分になった。

クインテッサホテル福岡天神Comic&Books(福岡市中央区)“無料夕食&楕円形テーブル”

クインテッサホテル福岡天神Comic&Books 夜のブッフェ

 福岡・天神の中心部にあり、ホテル名に「Comic&Books」とあるとおり7000冊のコミックが圧巻の宿泊特化型ホテル。朝食の提供はあるが、夕食は自身で調達するか外食というのがこうした宿泊特化タイプホテルの常識。一方、こちらで驚いたのは17時~21時に催される夜のブッフェがなんと宿泊者無料だったこと(期間限定。現在は終了)。ホテルでは控えめに軽食と表しているが、主食に焼き物、揚げ物、各種おかず、サラダからデザート、ドリンクバーまで揃った立派な内容。

クインテッサホテル福岡天神Comic&Books 楕円形のテーブル

 客室へのテイクアウト可というのも嬉しい配慮。宿泊した客室にはデスクはなかったが楕円形のテーブルが備えられており、ノートパソコンにマウスを置いてもストレスなく作業できたが、夕食を持ち込んだ際にも飲み物を横に置けたのは意外な発見だった。