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ヒレかつサンドの「まい泉」が語る伝統と“サントリー効果”

ご存知ですか? 「甘い誘惑」という名のオリジナルブランド豚を

まい泉さんが教えてくれた、黒豚ロースのおいしい食べ方

 多店舗展開をしていくとなると、気になるのは店舗ごとの質だ。人が違えば料理は変わってしまう。まい泉というブランドの味の維持は、どのようになっているのだろう。

「今回のトリエ京王調布店には、本店で働いていた職人をふたり連れてきています。この店舗では、彼らが中心になってまい泉の味を守っていってもらうことになりますね。また社内にパン粉付けマイスターなどの資格を設けて、これがうちの味である、ということに一定の基準を持たせています。これもレストランを展開していく上で大事になってくるポイントだと思っています」

 

 なるほど、たしかに実際に黒豚ロースかつ膳をいただいてみると、自社製のパン粉を使ったキツネ色の美しい衣は、剣立ちも良く、全体的な均一さを保ちながらも、とんかつの裏と表で微妙に厚みを変えているなど、本店同様のクオリティを見せてくれる。ちなみにお二人オススメの黒豚ロースの食べ方は、一口目はまい泉特製のスパイスソルトに軽くレモンを絞って、というところから、次に黒豚専用ソースを使って食べる、という順番。専用ソースはリンゴ、パプリカなど野菜・フルーツを中心にしたさっぱり目のソース。脂身が濃く、味が強めの黒豚にはぴったりだ。

スパイスソルト

気になる「まい泉のポークジャーキー」

 老舗のとんかつ屋が大企業傘下に、というニュースは当時とんかつ愛好家の間では驚きをもって迎えられたが、実際には意外なほど、それ以前と変わっていないようだ。そもそもサントリー傘下となったのも、創業者の後に経営判断できるものを、と考えたときに、まい泉のブランドを理解してくれるサントリーが適任であった、というだけであったとのこと。

 しかし今回お話を伺った以外のところで、例えばとんかつに適した豚肉を追求して誕生したオリジナルブランド豚「甘い誘惑」を作っており、そのとんかつを青山本店限定で食べられるらしい、あるいはその豚肉を使った「まい泉のポークジャーキー」という商品が今年の7月に販売開始された、など「ただのとんかつ屋」ではない動きを見せているのも確かだ。

「ただのとんかつ屋」でない側面と「老舗のとんかつ屋」である側面、両面の往復にこそ、まい泉のおもしろさがあるのかもしれない。

 

写真=かつとんたろう

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