昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

上沼恵美子独占手記「人生でいちばん傷ついた出来事でした」 M-1炎上騒動、「えみちゃんねる」終了の全真相

 コロナが本当に憎い。こんなに憎いものはありません。この1年半、本当に辛い思いを味わっています。

 コロナのせいで、テレビ・ラジオの収録現場は一変しました。

 いま私が抱えているレギュラー番組は、「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」(朝日放送テレビ)、「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ)、「上沼恵美子のこころ晴天」(朝日放送ラジオ)の3本です。

上沼恵美子さん ©文藝春秋

 

 27年目を迎えた「おしゃべりクッキング」はゲストとトークしながら調理・試食する番組ですが、コロナの影響で昨年3月からゲストをスタジオに呼べなくなりました。

「間」がどうしても狂ってしまう

「クギズケ」や「こころ晴天」でも他の出演者と十分な距離をとるか、アクリル板を挟まないとトークできない。やり取りがスムーズにできないし、「間」がどうしても狂ってしまう。おしゃべりを生業にしてきた私にとって危機的状況です。

 何より寂しいのは、テレビ局のスタジオに観覧のお客さんがいないこと。寄席や劇場に出ない私にとって、生の反応を感じられるのはスタジオしかありません。

 200人のお客さんがスタジオに入った時の熱気と活気たるや、すごいものがあります。他では絶対に味わえない快感で、長年にわたり私の体に沁み込んでいる。いまそれが味わえないのが残念で仕方ありません。

 いざ番組収録が始まれば、もちろん全力投球します。それでも時折、集中できず、幽体離脱したもう一人の上沼恵美子が喋っている、そんな気分に陥ることがあります。

 おしゃべりの世界に好き好んで入ったわけではありませんが、関西の片隅で仕事を続けてきて、やっぱり漫才が最高の芸だと思います。この世でいちばん難しい。マイク一本を二人で挟んで、お客さんを爆笑させる芸は他にありませんし、少しでも間を外すと「シーン」ですからね。

 年末恒例の「M-1グランプリ」をみてもレベルの高さは一目瞭然でしょう。才能ある若手がひしめき合っており、芸人の入れ替わりが本当に激しい。