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メールアプリなら「ProtonMail」 

 次に紹介するのは、暗号化メールサービス「ProtonMail」です。GmailやYahoo!メールなどと同じウェブメールの1種ですが、送信時点でデータを暗号化するエンドツーエンド暗号化に対応しており、運営者側ですらメールの内容を見られないことが特徴です。メールを自動解析してそれに合った広告を挿入するGmailとは対極にあるコンセプトです。

 またメールの有効期限を指定する機能や、同サービスを使っていないユーザにメールを送る時にパスワードを発行する機能など、安全にメールを届ける仕組みが多数用意されています。アプリ以外にPCのブラウザからも利用でき、Gmailに似たスパムフィルター機能も標準搭載されています。

 無料でもひととおりの機能が使える一方で、有料プランの選択肢が実質1つしかなく、メール分類のためのフォルダ数(3つ)や一日あたりの送信制限(150件)をなくすために有料プランに切り替えると、年7500円というそこそこ高いコストが発生するのがネックです。できればその中間にあたる安価なプランが欲しいところです。

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 とはいえ短命に終わりがちなフリーメールの中では一定の実績もあり、ブラウザからの使い勝手も優秀で、普段遣いのメールアドレスとしても適しています。アプリもブラウザも日本語で利用できますので、まずはアカウントだけ確保しておくのもありでしょう。

メールのメニューの比較。左が「ProtonMail」、右が「Gmail」。機能はおおむね同様ですが、起動時にロック解除を必須にする機能など、安全に使える機能が搭載されています
受信メールの比較。表示内容そのものはおおむね同じですが、メールの有効期限や、表示用パスワードを指定できる機能があります
ProtonMail以外のユーザにメールを送る時にパスワードを設定し、閲覧を制限する機能を備えています。覗き見の防止に役立ちます

メッセージングアプリなら「Signal」 

 次に紹介するのは、暗号化メッセージングアプリ「Signal」です。吹き出しが左右両側に表示されるインターフェイスなど、LINEをはじめとするメッセージングサービスと見た目は酷似していますが、こちらもやはり送信時点でデータを暗号化するエンドツーエンド暗号化に対応しており、運営者側ですら発信内容を見られないことが特徴です。

 テキストチャットはもちろん、音声通話、ビデオ通話にも対応しており、画像をいちどだけ表示可能な使い捨て写真機能や、定期的にPINを要求して本人確認を行う機能も搭載しています。複数サーバを経由することでIPアドレスを秘匿する機能もあり、国家による検閲を回避できることから、一部の国では利用を禁止しているほどです。

 注意点は、電話番号に関連づけられるサービスであるため、複数デバイスからログイン可能なFacebook Messengerや、アカウントの移行に対応するLINEと違い、あくまでも該当のスマホからしかログインできないことです。例外的にPCからは専用アプリ経由でアクセスできますが、基本的には電話番号を知っている仲間内での利用に限られるでしょう。