こちらも知名度の高い暗号化メッセージングアプリ「Telegram」が、インターフェイスが日本語化されておらず、また若干アングラなイメージがあるのに対し、この「Signal」は日本語化済みで、また米国では上院議員間で安全なメッセージツールとして利用が認められているなど、使い勝手、信頼性ともに抜群です。まずは家族や友人との間で試してみてはいかがでしょうか。
地図アプリなら「Organic Maps」
最後に紹介するのは、地図アプリ「Organic Maps」です。一般的に地図アプリは、ユーザの位置情報をベースにして地図の表示やルート検索を行うことから、プライバシーにまつわる情報が機械的に筒抜けになりがちです。とはいえあらゆる権限を拒否してしまうと、現在地の表示やルート検索すらできなくなりかねません。
この「Organic Maps」は、カメラやマイクの利用など不要な権限をブロックし、トラッカーを拒否する一方、必要な権限を最小限にとどめることで、安全な地図の表示およびルート検索を可能にしています。ユーザ登録不要で利用できるため、ユーザの利用傾向に合わせた広告も一切表示されません。
最大の特徴は、必要なエリアの地図データをあらかじめダウンロードして使う、オフライン対応のマップであることです。移動のたびにダウンロードが発生するGoogleマップと違い、エリア単位でダウンロードを済ませておくことで通信料の節約になるほか、機内モード時など、電波が届かない場所での利用にも適しています。
ネックとなるのは、オープンソースのOpenStreetMapがベースゆえ、最新の情報が反映されていなかったり、路線情報が全体的に貧弱なことです。「旅行者やハイカー、サイクリスト向け」とされているのも、そうした特徴を踏まえてのことでしょう。身近なエリアだけ使ったり、機内モードのときだけ使うなど、目的と範囲と定めて使うとよいでしょう。
写真=山口真弘