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 こちらも知名度の高い暗号化メッセージングアプリ「Telegram」が、インターフェイスが日本語化されておらず、また若干アングラなイメージがあるのに対し、この「Signal」は日本語化済みで、また米国では上院議員間で安全なメッセージツールとして利用が認められているなど、使い勝手、信頼性ともに抜群です。まずは家族や友人との間で試してみてはいかがでしょうか。

左が「Signal」、右が「LINE」。相手が入力中であることを示す表示など、挙動はむしろ「Facebook Messenger」に似ています。選択肢は少なめですが、スタンプも使えます
一定時間経過後に画面をロックする機能や、メッセージの表示期限を指定できる機能、さらにキーボードの自動学習を停止する機能など、きめ細やかなプライバシー保護機能を備えます
QRコードを使って利用中のスマホにひもづけることで、PCからも利用できます 

地図アプリなら「Organic Maps」 

 最後に紹介するのは、地図アプリ「Organic Maps」です。一般的に地図アプリは、ユーザの位置情報をベースにして地図の表示やルート検索を行うことから、プライバシーにまつわる情報が機械的に筒抜けになりがちです。とはいえあらゆる権限を拒否してしまうと、現在地の表示やルート検索すらできなくなりかねません。

 この「Organic Maps」は、カメラやマイクの利用など不要な権限をブロックし、トラッカーを拒否する一方、必要な権限を最小限にとどめることで、安全な地図の表示およびルート検索を可能にしています。ユーザ登録不要で利用できるため、ユーザの利用傾向に合わせた広告も一切表示されません。

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 最大の特徴は、必要なエリアの地図データをあらかじめダウンロードして使う、オフライン対応のマップであることです。移動のたびにダウンロードが発生するGoogleマップと違い、エリア単位でダウンロードを済ませておくことで通信料の節約になるほか、機内モード時など、電波が届かない場所での利用にも適しています。

 ネックとなるのは、オープンソースのOpenStreetMapがベースゆえ、最新の情報が反映されていなかったり、路線情報が全体的に貧弱なことです。「旅行者やハイカー、サイクリスト向け」とされているのも、そうした特徴を踏まえてのことでしょう。身近なエリアだけ使ったり、機内モードのときだけ使うなど、目的と範囲と定めて使うとよいでしょう。

左が「Organic Maps」、右が「Googleマップ」。路線情報は貧弱ですが、縮小状態でも多くのランドマークを表示できるのが利点です
こちらはルート検索。ひととおりの機能は揃っていますが、最新の交通データが反映されるGoogleマップに比べると全面的に信頼するには怖さもあります
こちらは地図の種類の比較。切替可能なのは「地形」「地下鉄」のみで、Googleのような豊富なバリエーションにはかないません
あらかじめ該当エリアのマップをダウンロードして使うため、機内モード時などでも問題なく使えます。自宅でダウンロードを済ませておけば、外出先で通信料を節約できます

写真=山口真弘