当時、店内には数名の客がおり、客と応対していたスタッフの女性は全裸だったという。
「たしかに女の子が全裸になることはありますが、この店に限ったことではありません。そもそも長いこと今の形で営業してきましたから。おそらくうちの店が悪質だったということではなく、東京オリンピックを控えた警視庁の“一罰百戒”的なパフォーマンスだったのではないでしょうか。ついてなかった、としか思えません」(男性関係者)
摘発を担当した警視庁の保安課は摘発の理由として「全裸でサービスするよう店側が女性に指示していた」、「店内が明るく周囲から見えやすい状況だった」と発表し、摘発された2店舗の“悪質性”を強調しているという。前出の社会部記者が解説する。
「東京オリンピックの開催にあわせて、警視庁が都内の繁華街を中心に『盛り場対策』に力を入れているのは事実です。今回のピンサロ摘発もその一環で、ある幹部は『目玉施策のひとつだ』と発言していました。ピンサロ店が、飲食店の許可をとっているものの実態が風俗サービスを提供している店であることは、警視庁は当然百も承知です。公然わいせつ罪で摘発することはいつでもできましたが、これまでは“グレーゾーンにあたる”として黙認していました。上層部の方針で一気に“見せしめ”に方針転換したんです」
5年で売り上げ14億6000万円の人気店
上野の風俗関係者によると、「マジックバナナ」は上野駅周辺で唯一営業している人気ピンサロ店だった。、これまでも何度も行政指導を受けていたが、そのたびに店名を変えるなどして、営業を続けていた。しかし摘発後は店のシャッターは閉まったままで営業が再開される気配はないという。
「『マジックバナナ』の売上は、ここ5年ほどで約14億6000万円にのぼっていたようです。ピンサロ自体が斜陽産業なことに加えてコロナ禍もありましたが、同店だけは行列ができることもある人気ぶりでした。上野は自粛要請を無視して営業していた店舗が多かったので、周囲で食事や酒を飲んで盛り上がった客がそのままの勢いで来店してたのかもしれません」(同記者)