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「自宅が事故物件として掲載されている」殺人が起きた一軒家に謎のクレーム…大島てるが戦慄した“差出人の正体”

「自宅が事故物件として掲載されている」殺人が起きた一軒家に謎のクレーム…大島てるが戦慄した“差出人の正体”

事故物件になった家 #1

2021/08/18

genre : ニュース, 社会

「大島てる」開設から15年以上も経つと……

 サイトの運営上、私にとっては「そこが事故物件であるかどうか」という情報しか重要でないので、個別の事件について何もかも追っているわけではありません。そのため、犯人がどんな主張をして、どんな刑罰が科されたといった“後日談”までは、一般的な報道で目にする以外はほとんど知りません。

 この事件の場合、詳しい経緯はわかりませんが、殺したのは1人だけで、事件直後の報道を思い出す限り本人は殺意を否定していたので、殺人罪(殺意有り)ではなく、より刑期が短い傷害致死罪(殺意無し)で有罪になっていたのかもしれません。そう考えると、6、7年で出所することも確かにありうる話です。

 私が「大島てる」を開設したのは平成17年(2005年)のことでした。それ以降に事故物件になったものを掲載する、という基準でサイトを運営しているのですが、かれこれ15年以上も続けていると、「殺人事件の犯人が出所した」というケースも出てくるのだな、と驚きました。

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殺人犯からのクレーム

 これまでの連載でもご説明している通り、私が「大島てる」を始めたのは不動産取引における消費者側の不利益を防ぐためなのですが、その思わぬ帰結として、殺人犯からクレームが届くようになってしまったのです。もちろん、刑期を全うして、法的には罪を償っているわけではありますが……。

 一方で、このような親族間の殺人事件が起きた際、遺された家族は「加害者家族であり、遺族でもある」という難しい立場に立たされます。そうした複雑な状況に置かれた事故物件では、遺された家族が“犯人”を庇う、というケースがしばしば見られます。

 それは一体どういうことか――。後編で詳しくご紹介しましょう。

後編に続く

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