「監督……抱いてください」
――村西さんの人生のミューズでもある黒木さんを演じた森田望智さんとはお会いしたんですよね?
村西 スタッフが200人くらい来ていた打ち上げパーティーにシークレットゲストで私が出た時に、森田さんが一緒に挨拶しにきてくれました。そしたら一番最初に森田さんがつかつかっと歩いて来て、「監督……抱いてください」って言うのよ。200人がそれとなく様子をうかがっている視線を感じ、本当にいいのかなと思ったのですが、据え膳食わぬは男の恥ですから、ぎゅっと抱きしめました。そしたら彼女は「ああん」と声を出しましてね(笑)。
――周りで見ていた人はドキッとしたでしょうね。
村西 きっと彼女は、実際の“村西とおる”の感触を知りたくて、抱かれてみたかったんだと思います。女優魂ですよね。一緒にいたヘアメイク役の女優さんも「抱いてください」っていうものですから、「あなたを抱くシチュエーションはないけれど」とは思いましたけどしっかり抱かせていただきました(笑)。
――(妻の乃木真梨子さんの役を演じた)恒松さんにもお会いしたいですか?
村西 そりゃもちろんですよ。でもこのご時世ですからね。どこかでしっかり抱きたいと思います(笑)。
「宮沢りえちゃんまで出てくれて」
――中には「全裸監督」に出演するのに反対された方もいるとお聞きします。
村西 そりゃそうでしょう。でも今回は宮沢りえさんまで出てくれて、その心意気は本当にナイスですよね。監督の武さんも、なりふり構わず演出に没頭し素晴らしい作品に仕上げられました。「全裸監督」がこれほど話題になったのも、私の人生が劇的だったということもあるのでしょうけれど(笑)、作った人たちのそのパワーがあったからこそです。
――作り手同士の連帯感があるのですね。
村西 世界190カ国、6億人に届くというのはただごとじゃないんですよ。中でも私が嬉しいのは、インドでも人気が爆発したこと。インドは「カーマ・スートラ」を生んだ世界最大のエロス大国ですからね、そのインドで通用した日本のエロスを誇りに思います。