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「クソみたいな話のほうが楽しいじゃないですか」 山田孝之が“アイドル俳優”から闇金・勇者・ブリーフの“怪演俳優”へキャラ変できたワケ

2021/07/06
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『全裸監督』シーズン2が配信中

 デビュー当時、ただの“アイドル俳優”のように見られていた彼が、いつしか“カメレオン俳優”と呼ばれ、今や日本屈指の“怪演俳優”となっています。

 現在、主演したNetflixオリジナルドラマ『全裸監督』シーズン2が大きな話題を集めている山田孝之さん。

「Netflix」HPより

 彼が『ウォーターボーイズ』(2003年/フジテレビ系)、『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年/TBS系)、『H2~君といた日々』(2005年/TBS系)といった青春ドラマに主演していた当時、白ブリーフ一丁で咆哮するAV監督役を演じている今の姿を想像できた人はいたでしょうか?

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 今回は恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーである筆者が、山田さんのキャリアを振り返りながら、彼のキャラ変の歴史を考察したいと思います。

栄華を極めた“アイドル俳優”時代のスキャンダル

 1999年の『サイコメトラーEIJI2』(日本テレビ系)で俳優デビューし、2001年には『ちゅらさん』(NHK)、2002年には『ロング・ラブレター~漂流教室』(フジテレビ系)などの話題のドラマで顔を売っていった山田さん。2003年の初主演ドラマ『ウォーターボーイズ』(フジテレビ系)がヒットし、大ブレイクします。

 ただ当時の彼を、芸能界にふっと出てきてはいつの間にか消えていく、泡沫の“アイドル俳優”のように見ていた人も少なくなかったのではないでしょうか。チヤホヤと持てはやされるのは数年間で、その次の世代が現れれば、ところてんのように押し出されてしまう。少なくとも筆者はその程度にしか、山田さんを認識できていませんでした。

©getty

 確かに、2003年~2006年頃の間は、山田さんは次々とドラマに主演していました。しかし、2007年~2009年はドラマ主演ナシ。それは、主演ドラマがパタリと制作されなくなった2007年の前年である2006年に、彼に隠し子騒動が巻き起こっていたことも大きな要因に思えました。交際していたモデルとの間に生後間もない男児がいると報じられると、その報道を事実だと認め、入籍はせずに認知して養育費などを支払っていくと山田さん自身が公表したのです。

 このスキャンダルは、“アイドル俳優”としては痛手を負ったと思われても仕方ないでしょう。もしかすると2007年~2009年当時は、山田さん自身が出演作を選んだり、テレビ以外の仕事に軸足を置いていた時期なのかもしれませんが、2000年代後半はテレビ露出が減っていたのは事実なのです。