20年後は唯一無二の“何者”かへ…
2018年に鼎談トーク番組『ボクらの時代』(フジテレビ系)に出演した際には、次のように20代の頃の役者としての苦悩を吐露していました。
「自分はその場にしか居場所はないんだと思い込んでいたので、俳優として芝居はしたいけど人には見られたくないっていう、なんかもう一番矛盾な状態にいて」「一期一会だって思ってたら、そこで何か面白い出来事が生まれてったり仕事に繋がっていったりして、ああ、人に会うことって、いろいろ話すことってすごい素敵なことだなって思うようになってから、もう真逆にひっくり返りましたね。人生って超楽しいって」
役者という仕事に真剣に向き合って苦しみ抜き、達観の境地に至るまでの過程を熱く語った山田さん。一方で、2016年のトークバラエティ番組『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)では、「(役者仲間との演劇論などの会話は)僕、嫌いなんですよ、そういうの。クソみたいな話のほうが楽しいじゃないですか(笑)」とあっけらかんと話していたこともありました。
熱量高く役者人生を語ることもあれば、飄々と脱力系のトークで笑いを誘うこともある。その振り幅の広さや捉えどころのなさが、突出した存在感を放つ“怪演俳優”としてのバックボーンになっているように感じます。
“アイドル俳優”としてブレイクした20年近く前の山田さんから、今の山田さんが全く想像できなかったように、20年後の山田さんは我々の想定を裏切るオンリーワンの役者になっているのではないでしょうか。いえ、もしかすると、役者という枠にとどまらない、唯一無二の“何者”かになっているかもしれません。