2021年上半期(1月~6月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。国内部門の第2位は、こちら!(初公開日 2021年2月21日)。

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「自分が背中に刺青を入れたのは20代の中ごろだった。ヤクザにとって刺青は、切り離せないほど重要。自分の体に『墨を入れる』ということは、それまでとは違う人生に進むということだ」

 ヤクザにとっての刺青の意味について、このように強調するのは、首都圏で活動している指定暴力団幹部だ。

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暴力団員にとって「刺青」とは?

 タトゥーとも呼ばれ、ファッションの一部と考える若者もいる刺青だが、暴力団員などの反社会的勢力を連想する人も多い。実際に、暴力団幹部の多くは背中に刺青を入れており、暴力団社会で生きていく上では重要視されている慣習となっている。

 冒頭の指定暴力団幹部が続ける。

「ヤクザとして刺青を入れるのは、この道で生きていく決意を固めたということ。カタギ(一般人)の社会には、もうこれで戻らないという気持ちで入れた。最近は、親分や兄貴分の名前を自分の体に入れる人もいる」

(写真はイメージ。本文とは関係ありません)©️iStock.com

親分の名を広めるという目的も

 暴力団では強制的に刺青を入れさせられるわけではなく、多くは自主的に入れているとされる。

 その中でも前出の指定暴力団幹部が指摘するように、いまは若い暴力団員を中心に、人名を刺青で入れるのが流行っているという。

 実際に親分の名前を体に入れている別の指定暴力団幹部が、詳しい事情を説明する。