サラリーマンでも、個人事業主でも、仕事をしていれば、必ず失敗やミスは起こり得る。一般社会では、相手に頭を下げたり、上司に始末書を提出することで一応の区切りとなるが、暴力団社会では「自らの指を切断する」という伝統的な決着方法がある。
「指を詰めることは、不祥事、不始末があった際のヤクザのけじめ。ヤクザは『すみませんでした』の一言では済まない」
暴力団幹部たちはそう口を揃える。いったい、どんな場面でそのような行為が行われているのだろうか。
「その程度の不始末で指を詰めるのか?」という事例も
東京都内を中心に活動している指定暴力団幹部が、ヤクザの指詰めについて語る。
「例えば、あるヤクザがミスをして1000万円の穴をあけてしまい、幹部から『どうするんだ。責任を取れ』と追及される事態になったとする。このご時世、1000万円を作れと言われても、そう簡単には作れない。そうなると『それで済むなら』と指を詰めることになる」
別の指定暴力団のベテラン幹部は、次のように振り返る。