世界12カ国で翻訳され、ウォン・カーウァイが映画化権を獲得した話題作『13・67』の著者・陳浩基さんと、日本の警察小説の第一人者・横山秀夫さんとの顔合わせが実現する。11月4日、香港国際文学フェスティバルにて、スコットランドの作家イアン・ランキンさんも交えて豪華なトークショーが開催されるのだ。
「今回、地元のミステリー作家としてイベントに参加できるのが何よりの喜びです。香港や台湾、中国でもミステリー小説は人気ですが、読まれるのはもっぱら日本や欧米の翻訳作品ばかり。自前の作家はまだ育っていませんから」
陳さんは2011年、華文(中国語)ミステリーの新人賞「島田荘司推理小説賞」を受賞して、プロ作家の道へ。
日本のミステリーに精通する陳さんは、今回『13・67』を執筆するにあたって横山作品からヒントを得たという。
「作品の構想を練っているときに、以前読んだ『第三の時効』を思い出しました。F県警捜査一課の各班が事件を捜査する短篇を読み進めることで、捜査一課全体のありようを鮮やかに思い描くことができる。これを参考に長篇小説のスタイルをやめ、1話ごとに年代を遡っていく逆年代記形式の連作小説にしたのです」
INFORMATION
小説『13・67』
小社刊。香港国際文学フェスティバルは11月3~12日に開催