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北の大地のターミナル「札幌」には何がある? 北海道らしい広々とした駅かと思いきや…

2021/08/02

genre : ライフ, 歴史, , 社会

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 試しに歩いてみたが、大通公園はオリンピックのマラソン競技(と競歩)を控えてがっちりバリケードに囲われていた。札幌のシンボルのひとつ、テレビ塔は大通公園の東端。“がっかり観光名所”と揶揄されることもある札幌時計台は大通公園よりも少し北、札幌駅前通から少し東に入ったところだ。

 
 
 
 

 こうした名所を横目にさらに駅前通を進むと、狸小路商店街とぶつかって、さらに行けば誰もが知っているニッカウヰスキーのオジさんのネオン。そう、歌舞伎町・北新地・中洲と並ぶ我が国が世界に誇る歓楽街・すすきのである。

 

 このようにして札幌駅から何も考えずに駅前通を南に行けば、大通公園を抜けて天下のすすきのまでも30分とかからない。歩くのは難儀だなあというのなら地下鉄を使えばさっぽろ駅(なぜか地下鉄の駅はひらがな表記だ)・大通駅・すすきの駅とたったの2駅だ。

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 冬場は雪に覆われて、アイスバーンで路面はツルツル。不慣れな東京人からすれば、「札幌の人は冬になるとスケート靴で外出するんだよ」と言われても信じてしまうほどのツルツルぶりだ。そんなときには地下道が札幌駅からすすきのまで続いているので、こちらを歩けば安心安全。このあたりはいかにも雪国らしい配慮である。

「ここまで歩いてくると、あることに気がつく」

 ここまで歩いてくると、あることに気がつく。札幌という町は、見事に道路が碁盤の目、言い方を変えればグリッド状に通っているのだ。グリッド状の都市は他にも京都や名古屋、大阪などがあるからさして珍しくはない。