貴方が監督なら、一体どうするか。
森保一監督率いるサッカーU-24日本代表は、初戦の南アフリカ戦に勝ち、続くメキシコからも白星を挙げて2連勝を挙げた。通常、国際大会のグループリーグでは、勝ち点が6あれば突破が決まるケースも多いのだが、結局それは3戦目のフランス戦まで持ち越しとなった。
もし日本がフランスに2点差以上で負けて、メキシコが南アフリカに勝てば、3チームが2勝1敗で並んでも得失点差で敗退となってしまう。2勝1敗ながらノックアウトステージに進めなかった96年の「アトランタの悲劇」が再び起こるやもしれない――。
オリンピックは中2日で試合が続く“鬼スケジュール”
対するフランスは多くの選手が招集を断るなど、ベストメンバーでのチーム作りができずにいたこともあり、大会への準備が遅れていた。結果として初戦はメキシコに1-4で敗れたが、南アフリカとの激戦を制して浮上のきっかけをつかみつつあった。日本に2点差以上で勝ち切る力は、当然あると考えられた。
オリンピックは試合の感覚が中2日で進んでいく“鬼スケジュール”だ。加えて日本のこの高温多湿の気候が、選手たちのコンディションに影響を及ぼさないわけがない。
メダルを獲得するには全部で6試合をこなさなければならないが、同じ先発メンバーで乗り切るのは至難の業。今大会の特別ルールとして採用された22人のメンバー、1試合5人の交代枠をうまく使っていくことが、メダル獲得の条件なのだ。
長期戦を見据えた選手の変更をするかどうか
ところがこれまで森保監督は、第2戦のメキシコ戦では、初戦のメンバーから左サイドハーフの相馬勇紀(南アフリカ戦は三好康児)を入れ替えたのみで、交代カードも2枚残している。ならば、この3戦目のフランス戦では、「2点差以上で負けなきゃいいんだから」と5人程度、選手を一気に替えてくる選択肢もあったはずだ。
だが、蓋を開けてみると、目を引いたのは試合ごとに変えている左サイドハーフに旗手怜央を起用してきたくらい。ケガから復帰した冨安健洋、コンディションを上げてきた上田綺世を先発に戻して、どちらかと言うとこれまでよりもフランス戦のほうがベストメンバーに近かった。