「家庭に問題を持つ方々が訪れる場所として、こんな一等地はふさわしくない!」
南青山で持ち上がった、子ども家庭支援センターと児童相談所・母子生活支援施設などを併せ持つ複合福祉施設の建設計画に、一部周辺住民から反対の声が上がったのは2018年のことだった。住民向けの説明会でのセンセーショナルな発言の数々が取り上げられると、インターネット上を中心に激論を呼んだ。
しかし、そんなすったもんだもありながら、同施設は「港区子ども家庭総合支援センター」として今年4月に無事開設していた。ところが開設からわずか3か月の同施設を舞台に、再び区民から批判を浴びかねない不祥事が起きていた。
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「職員の会食をきっかけとしたクラスター」を隠蔽?
同施設では7月30日(金)までに11人の職員が新型コロナウイルスに感染するクラスターが発生している。とはいえ、ここ最近の東京の新規感染者数からしても、この程度の集団感染はどの職場でも発生しうるものであり、それ自体が同施設の落ち度というわけではない。
問題は、その事実を同施設のみならず港区が組織的に隠蔽していた可能性があることである。筆者は、同施設でのクラスター発生について、7月27日(火)の時点で区の関係者からこんな情報提供を受けていた。
「7月20日(火)の昼休み、子ども家庭総合支援センター勤務の男女4人が、連れだって近隣の飲食店で『お好み焼き会食』を行い、その後かき氷店にも寄ったのだそうです。そのうち1人が22日までに体調に異変を感じ、24日(土)にPCR検査で陽性が確認された。加えて2人も26日(月)にそれぞれPCRで陽性反応が確認されたようです。
さらに、会食に参加していない4、5人のセンター職員も体調を崩して欠勤していると聞いている。この話はセンターから離れた港区役所に勤務する職員の間でも『大規模クラスターになるのでは』と噂になっている。にもかかわらず、区はまったく現時点での情報を公表しようとしていない――」