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 ちなみに港区は、今になってもクラスター発生の場所について「区内の子育て支援施設」としか発表していない。各プレスリリースでは、その理由を「個人の特定につながる恐れがあるため」としている。

港区HPより

クラスター発生の飲食店名は公表するのに...

 しかし、どこまで職場感染が広がっているか未確認な状況だ。ましてやその現場は不特定多数の人が利用する可能性のある公的施設である。その危険性を利用者に伝えないことはリスクコミュニケーションの欠如に他ならない。「クラスターが発生している可能性があるなら利用しなかった」という利用者もいたはずだ。

 マスク着用の徹底が難しい、子供を連れて訪れる利用者も多いであろう子育て支援施設では特にである。現にこのプレスリリースによれば、28日(水)に陽性確認された5人の職員のうち1人は27日(火)まで、もう1人は28日(水)まで同施設に出勤していた。さらに、11人目の感染者となった職員は、陽性確認された7月30日(金)まで勤務を続けていたのだ。

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 何も知らされないままに訪れた利用者に感染が広がっていた可能性も否めない。

 民間の飲食店や商業施設でクラスターが発生した場合は、店頭にその旨を掲示する事業者も少なくない。さらに厚労省は、飲食店などでクラスターが発生し、感染経路の追跡が困難な場合には、都道府県が関係者の同意なく店舗名などを公表できるとする旨を業界団体に通知している。

 ところが港区では施設での掲示などについても、現在まで行っていないという。

 港区新型コロナウイルス感染症対策担当は、「不用意に利用者の不安をあおることのないよう、施設名公表や施設での掲示掲出は、ケースバイケースで行っている」としているが、どこでクラスターが発生しているか、知るすべもない世界のほうが、よほど不安なのではないだろうか?