文春オンライン

2021/08/15

「言霊になるからやめろ」

 そういえばこんな記事もあった。4月下旬に3度目の緊急事態宣言が出た。設定された期限は5月11日。閣僚のひとりは首相に「5月上旬は、まだ感染者数が増えている。解除するなら、それなりの理由がないと理屈が通りません」と伝えた(朝日新聞7月21日)。

 これに首相は、

《「言霊になるからやめろ」と応じたという。》

 言霊…。

 感染者数が増える可能性を口にすると本当になるかもしれないから議論しない、考えない。これではもうオカルトである。

菅義偉 ©文藝春秋

 でも、そういえば、何を問われても「安心安全」としか言わないのも言霊を信じているからだろうか。会見で用意された言葉しか言わないのもアドリブを言えば言霊になってしまうからだろうか。すいません、「答えない」意味を首相側の気持ちに立って考えたらそんな仮説が浮かんでしまいました。

 東京で新規感染者が初めて3000人を超えた日、官邸側は「本日はお答えする内容がない」として首相の取材対応を拒否。目の前で起きていることから逃げた。

 IOCの広報部長が感染者数の増加と五輪の関係について「パラレルワールド(別世界)のようなもの」と発言したが、ほんとうはパラレルワールドに一人でいるのは菅首相なのかもしれない…。そこに流れるニュースは日本人選手の金メダルのみ…。

 以上、真夏の怪談でした。
 

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