四十住さくらの“一言”が銅メダルに繋がった
今回、13歳の若さで銅メダルを獲得したことで、スカイ・ブラウンは英国史上最年少のオリンピック・メダリストになった。CNNでは、「金メダリスト・四十住さくらの応援がスカイ・ブラウンの銅メダル獲得に貢献」との見出しで、その舞台裏を紹介している。
予選を全体2位で通過したスカイ・ブラウンは、メダル獲得へのプレッシャーからか、決勝での1回目、2回目のランで、ともに「キックフリップ・インディ」を失敗。残されたランはあと1回。ミスをした瞬間、メダル獲得の夢が潰える……という状況で、四十住さくらがこんな声をかけてくれたという。
「彼女が『絶対できるよ。成功する』と言ってくれたことで、気持ちがすごく楽になりました」(CNN)
その言葉を受けて臨んだ最終ランで見事「キックフリップ・インディ」を成功させたスカイ・ブラウンは、56.47という高得点が発表されると、すぐに四十住さくらの体を強く抱きしめた。互いの価値観を認め合い、高め合う。そんなスケートボードのカルチャーを、世界中が改めて目撃した瞬間だった。
パリオリンピックでの目標は?
次回のパリオリンピックは2024年に開催される。そのとき、スカイ・ブラウンはまだ16歳。だが、彼女の目標はスケートボードでの出場だけにとどまらない。なんと、スケートボードとサーフィンの両種目でオリンピックに出場することを目指しているという。
彼女の13年間の歩みを振り返れば、それもただの“夢”ではないのかもしれない。しかし、その一番の障害となりそうなのは、サーフィンの競技会場だ。パリオリンピックでは、サーフィンはパリから遠く離れた、南太平洋に浮かぶタヒチ(フランス領ポリネシア)で行われる。フランス本国からは1万5000キロメートル以上離れており、選定時には「飛行機で23時間の距離」とも報じられた。
そうした難題を乗り越え、3年後、陸と海の両方でスカイ・ブラウンは最高の笑顔を見せられるか――。13歳の次なる挑戦は、もう始まっている。