昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2017/11/05

JR西日本沿線には阪神も広島もありますが、我々はソフトバンク

 富澤駅長は、“地域のみなさんがあっての博多駅”という点を強調する。特に新幹線の博多駅は観光や帰省、出張などで遠方から九州を訪れる人も多く利用するから、その役割は重要だ。

「地域のみなさんと一緒に街を盛り上げたい。その思いはJR九州の博多駅も同じだと思います。だから、会社が違うと言っても同じ街の仲間という感覚。商店街のみなさんとかにもお声がけしていただいて行事や会議に出たり、地域との関係、絆作りは大事にしていきたいですね。JR西日本の沿線には阪神タイガースも広島カープもありますが、私たちは100%ソフトバンクファンですから(笑)」

 と、“地域愛”を強調する富澤駅長。120名をまとめつつ、地域を代表する駅のトップとしての任務をこなし、そして列車の安全運転にも力を注ぐ。そんな駅長の仕事の醍醐味は何なのか。

「駅長というか、駅の仕事としての話ですが、やっぱりお客様からの励まし、『ありがとう』という言葉が一番うれしい。社員にもよく言っているのですが、こんなにありがとうと言われる仕事はなかなかない。お客様が多くなるお盆の時期は、私は博多駅では初めての経験だったのでかなり神経を使いました。お盆や正月は私達鉄道で働く人にとっては休みではありません。でも、久々の帰省を楽しみにしているお客様の顔を見れば、もう(笑)。お孫さんとの久々の再会を喜ばれていたり、お別れで涙があったり、そういうシーンに「よし! 頑張らなきゃ」とパワーをもらいました。だから、博多に来てよかった、帰ってきてよかったと思っていただける駅にしたい。そう思って社員と一緒に頑張っています」

駅長が考える「我々の存在意義」

 1日に6万人以上が利用する、新幹線の博多駅。自動改札はもちろんのこと、ICカードや券売機の普及で駅も自動化が進んでいる。“チケットレス”は今後も加速していくだろう。そんな中、富澤駅長は「お客様に接する機会が少なくなる中で、どうしていくのか。進化を続けていかないと、私たちの存在意義がなくなってしまう」と話す。安全第一は当たり前として、その上でいかに“いい駅”を作るのか。それが駅長の何より大事な仕事なのだ。

 

写真=鼠入昌史

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー
z