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「そんな髪質だったら苦労しないよ〜」美容師が教える、“参考にならない”SNSのヘアアレンジ動画の見分け方

2021/08/22
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 このように、ヘアアレンジに対する苦手意識の原因は「手先の器用さ」とは異なる部分に存在する場合もあります。なので「私が不器用だから上手くできないんだ」と卑下する必要はありません。

 そしてSNS上のヘアアレンジ動画は、ヘアアレンジに不慣れな方にとって参考になるものと、なりにくいものが混在しています。その違いは、大きく分けて「美容師が投稿する動画」と「インフルエンサーが投稿する動画」です。

美容師の動画の場合

 美容室がクーポンサイトに掲載されることでしか「集客」出来なかった頃とは変わり、今や美容師個人のSNS上でもできるようになりました。

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 そのため美容師の発信するヘアアレンジ動画の多くは、「集客」を意識して作られています。「私の手にかかれば、こんなに可愛くなりますよ! メッセージをいただければ予約できます」と“私の作ったステキなヘアスタイル”のアピール合戦になり、美容師はよりキャッチーな写真や動画を上げるようになりました。

 そのため過剰な演出も目立ちます。「3タッチでできる」など、具体的な「簡単にできる」を売りにする投稿も目にしますが、実際は前述した通りその人の髪質によります。

 また美容師さんは、自然とプロの手捌きになるためムダがありません。ですので、一般の方が参考にするのには、ハードルが高いかもしれません。

インフルエンサーの場合

 インフルエンサーや美容師さんの中には、日々のスタイリングの一部始終を動画でアップしている方も多く見られます。自撮り動画は鏡越しで見ているように映るためマネしやすく、同じ髪の長さであれば、手の動かし方など参考になりやすいです。

 一方で、キャッチーで短い動画にするために早回しにしていたり、細かくカット割をしているため、実際にマネしてみると動画のようには簡単にできなかったり、時間がかかる印象を抱くと思います。慣れないうちはノーカットの長回しで撮影している投稿の方が、参考になりやすいでしょう。