2人でバーベキューしながら地下と地上のクイズ交換した話
古川 「地下クイズ王」はしみけんさんが強すぎて終わったとさえ言われていますけど、どういう成績になるんでしたっけ?
しみけん 僕は第2回から参加させていただいて、2回・3回が準優勝、4回・5回が優勝。強すぎたってことはなくて、ブレーンの方にいろいろ力を貸してもらったところが大きいですよ。毎日、くだらないネタを教えてくれるんですけどね。「今日も大学で裸になって捕まった人いますよ。問題に出ます、きっと」みたいな。
古川 うん、やっぱりお互い住む世界を分けていて正解でしたね。僕、そんなこといちいち覚えてられないです。地上での効率が悪くなっちゃう。
しみけん ハハハ。でも、そんな2人が一緒にバーベキューするくらい仲がいいというのは、不思議な縁ですよね。古川さん、料理上手いんですよ。
古川 この2人が外で肉焼いてる姿は、世間の人からは想像できないかもしれない。
しみけん この前のバーベキューでは、好きな問題の話で盛り上がりましたよね。
古川 面白かったですね。しみけんさんがサントリオ・サントリオの……。
しみけん そうそう。僕、畳語が答えになる問題がクセになるほど好きなんです。畳語って、同じ語が重なる言葉のことで、ハンバート・ハンバートみたいなものです。古川さんにそのとき教えてもらった問題が……。
古川 ガリレオ・ガリレイの温度計を改良して体温計を開発したイタリアの医学者は誰?
しみけん サントリオ・サントリオ。
古川 しみけんさんがお返しに教えてくれた問題が、また凄かった。
しみけん 2016年のリオ五輪、選手村で女性を性的暴行して捕まったナミビアのボクシング選手の名前は? ジョナス・ジョナス。
古川 地上で出ませんからね、こんな問題。地下と地上のユニフォーム交換みたいなものですよ、畳語問題の。
しみけん ちなみにリオ五輪ではもう一人、性的暴行で捕まったボクシング選手がいるんですよ。ハッサン・サーダというんですけど、これも地下クイズに出そうだからって、覚えました。ハッサンって……どこで発散してるんだよ! って解説が付きそうで。
古川 まさに、「出そうだから」というのはポイントなんですよね。世の中に覚えることはごまんとあるわけで、そこから面白いクイズになりそうなものにアンテナを張っておくことは、地上も地下も関係なく重要なことです。
当たり前のことをあえて聞くクイズって、尊いんです
しみけん いい問題だな、良問だなっていうクイズって、古川さんだったらどんな問題ですか?
古川 そうですね……。誰もが知っていることなのに、それをあえて聞くようなクイズは気づきがあって良問だと思います。これは自分で作った問題になって恐縮なんですけど、「ヤンキーなどがするウンコ座りと言ったときに、想像される便器は和式か洋式か」。これ、自分のクイズで一番好きなんですけど。
しみけん あ! それ問題集に載ってましたよね。名作。
古川 ウンコするって言ったら、今、大抵の人は洋式を思い浮かべると思うんですけど、ウンコ座りって言ったときだけ、みんな無意識に和式を思い浮かべてると思うんですよ。この常識の盲点みたいなものを、クイズで突いてみたかった。
しみけん なるほど、なんでこれを問題にしたのか不思議だったんですけど、そういう意図があったんですね。答えそのものよりも、問いかけること自体に意味がある。
古川 当たり前のことをあえて聞くクイズって、尊いんです。