来年デビュー20年を迎える益若つばささん。読者モデル時代は渋谷を歩くだけで人だかりができ、警察が出動するほど人気は過熱。カリスマギャルとして雑誌やテレビに登場した。しかし益若さん本人の自己イメージはそもそも「ギャル」ではなく、人気が出てからも「ギャル」に憧れ続けていたという。鈴木奈々さんやみちょぱ(池田美優)さんといった「読者モデル発タレント」の道を切り拓いた益若さんに、「ギャル」とは何かを聞いた。(全3回の1回目/#2#3へ続く)

益若つばささん

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読モデビューから来年で20年

――読者モデルとしてデビューされてから来年で20年なんですね。

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益若つばささん(以下、益若) 来年37歳なんですけど、芸能界で仕事することも自分には考えられなかったことですし、しかもこの齢まで表に出る仕事を続けているなんて……本当に、すべては想定外です。

 そもそも妊娠がわかった21歳の時、きっぱり「モデルは辞めます」と言っていました。自分で言うのもあれなんですけど、当時は「ギャルのカリスマ」と呼ばれていて絶頂期でした。でも結婚したら、ファンのみんなに捨てられると思ったんです。

――読者モデルが妊娠・結婚したら読者から必要とされなくなる、と思っていたということでしょうか?

益若 飽きられて「益若つばさなんて興味ない」と思われる前に、みんなから捨てられる前に、自分から離れようと思いました。その時期に『情熱大陸』(MBS・TBS系)から取材依頼がきたんです。ただ当時は番組のことすら知らなくて、「『学校へ行こう!』には出たいけど『情熱大陸』は知らないのでいいです」と断ろうとしていました。でも周りの人に「人生の転機になるから絶対に出たほうがいい」と後押しされ、『情熱大陸』が何かわからないまま、密着取材を終えました(笑)。それから徐々に、「自分のやっていることは『仕事』なんだ」と自覚が芽生えてきた感じです。ずっと、青春の思い出づくりのノリでやってましたから。

――そもそも益若さんはなぜ「ギャル」になったのでしょうか。

益若 自分は本当に何者でもなかったんですよ。お父さんから日焼けを禁止されていたから色白だったし、当時人気のあったアルバローザ(ギャル系のブランド)は1着1万円くらいしたので高くて手が出ない。だから数百円の古着を買って着回ししてました。かといって下北系でもなければ原宿系でもない。すごく中途半端な存在だったんです。