翌日、絵里さんは複雑な気持ちで海外へ飛び立った。留学中にも『外国人とヤったんか』『(留学先には)彼氏もいないし、一人でするんやろ』『服脱いだ写真送って』といった卑猥な内容のLINEが村上から送られてくることがあったという。絵里さんは村上がいる自宅に戻るのが嫌で留学期間の延長を希望したが、新型コロナウイルスの感染拡大や費用の問題で実現しなかった。そして留学を終えて帰国した直後の2020年4月2日に、村上から再びわいせつ行為の被害に遭ったという。
「2回目の被害の時は母が夜勤で、家で村上と2人っきりでした。リビングで一緒に映画を見ていたら再び胸を触られました。本当は嫌でしたがどうしたらいいか分からず、抗議して家族が壊れたらどうしようという恐怖感もありました。その時に私が着ていたTシャツは正面部分に分厚いプリントがデザインで入っているもので、プリント部分が邪魔だったのか『感触が分かりにくいから、Tシャツを前後ろ反対に着替えて』と言われ、仕方なく前後逆に着直すと、そのまま数十分ほどずっと胸を触られました。
その後も4月から5月にかけて、母が夜勤のタイミングで複数回“被害”を受けました。ある時は『挿入しないから下着を脱いで、直接性器同士をくっつけさせてほしい』と言われ、拒否すると『服を着たままでいいからさせてほしい』と言われました。村上は下半身を何度も私に当ててきました。私の手首をつかんで無理やり股間を触らされたこともあります。その時、村上はニヤニヤしていて本当に嫌でした」(絵里さん)
「お母さんは村上とレスなん?」
村上からの度重なるわいせつ行為に悩んだ絵里さんだが、なかなか母親に打ち明ける機会を作れずにいた。しかしあるできごとをきっかけに絵里さんの異変に母親が気づいたという。その日の驚きを母親が明かす。
「村上は『東京でTohjiと楽曲制作してくる』と言い、2020年の6月2日から1カ月ぐらいの予定で上京していました。その期間に突然村上から『別れたい』とLINEで言われ、多少揉めましたが、今までも同様のことがあったので受け入れました。娘から被害を打ち明けられたのは、その後の7月16日のことです。
私の友人と絵里と3人で外で食事をしていた時に、絵里が突然『お母さんは村上と(セックス)レスなん?』と聞いてきました。友人もいましたし、その場は『そんなこと親に聞くもんちゃう』と適当に流したんですが、娘は何度もしつこく聞いてきました。友人と別れて2人で家へ向かう途中も、娘がなぜ何の脈絡もなくそんなことを聞いたのかという疑問が頭から離れませんでした。実際、村上とはレスではなかったので、そんな嘘を娘についた状況を想像すると嫌な予感がして、帰宅してから『もしかして何かされたん?』と聞いたんです。そうしたら娘が涙を流しながら『1年前からや』と今までの被害を訴えてきたのです」