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人生初の遠征は0泊4日の超節約野球旅

 そんな僕が人生で初めて遠隔地に「野球旅」としてオリックス戦を観に行ったのは1990年、16歳高校2年の夏休みです。大阪球場、平和台球場がなくなってしまうということでパ・リーグファンとして観に行こうと考え、東京→大阪→博多→東京と宿は取らず深夜バスで移動し続ける0泊4日の超節約野球旅を敢行しました(今なら身体がぶっ壊れます)。8月2日の大阪球場最終戦。オリックス対近鉄は延長戦でブーマーの決勝スリーランが飛び出し快勝。ホームランボールが外野席に陣取る僕のすぐそばに着弾したのを今も鮮明に思い出せます。本当は僕にとって憧れの本拠地・西宮球場にも行きたかったのですが日程&予算がうまく合わず断念。「西宮球場はまた来年以降行くチャンスがあるだろうから」と思ったのに、まさか90年オフに本拠地が移転してしまうとは……ショックだったけど新本拠地グリーンスタジアム神戸は本当に素晴らしい球場だったので仕方ない。

 そして今現在。僕にとって「野球旅」は人生に欠かせない大切なイベントになった。昔と違い衛星放送&インターネットが充実した今ではオリックス戦は全試合観ることができるし選手の顔だって好プレイだって珍プレイだってスマホひとつで思うがままだ。でもやはりスタジアムで直接観る試合は最高だし、ましてやなかなか行けない遠隔地の球場にオリックス戦を観に行く「野球旅」のワクワクは筆舌に尽くしがたい。

 元々旅好きではあるが、野球を観るという目的があるだけで段違いに旅がワクワクするのはなぜなのだろう? 16歳の夏、初めての「野球旅」では大阪たこ焼きと博多ラーメンに感動した。大人になった今ではもう少し懐事情にも余裕があるってもんだ。各球場、各地方に名物がある。京セラドームの「いてまえドッグ」。千葉マリンの「焼きそば」「モツ煮込み」。メットライフドームの「狭山茶」、甲子園の「甲子園カレー」などなど。そう言えば最近、神宮球場の「水明亭」を筆頭に球場グルメから次々と「うどん、そば」が消えて行くのはなぜなのでしょう?すごく寂しいです。京セラドーム3Fにあったうどんスタンド、好きだったのにな。

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 それはそれとして。遠い町で美味しいものを食べて、贔屓の野球チームを応援し、なかなか会えないファンの皆さんの姿を楽しむ。それこそ「野球旅」の醍醐味だと思う。つい先日、横浜でのベイスターズ交流戦で出会った若い男性ファンは何と「コーディエ」のユニフォームを着用! インパクトありすぎでしょそのチョイス(笑)。

 今は政府の迷走もあって大変な状況が続く日本だけど、平穏な日常が戻ったらまた思う存分「野球旅」に出たい。強く強くそう思う。人生には人それぞれ喜びや癒やしが欠かせない。僕たちプロ野球ファンにとって贔屓チームの応援は「生き甲斐」と言ってもいいものだ。僕と同じく「野球旅」を愛する同志もたくさんいらっしゃるはず。さあ野球旅を愛する皆さん、今は自分の「夢野球旅」計画をたくさん立ててやりましょう。

 北海道には新球場が出来る。平和台球場は行ったけど福岡ドームにはまだ行けていない。楽天生命パークも「味太助本店」もご無沙汰だ。広島市民球場にボール犬ミッキーを見に行って樽募金には参加したけどマツダスタジアムには行ったことないし「八昌」のお好み焼きもまた食べたい。そして何より京セラドームに行きたい。Bs SHOPでついついあり得ない金額のグッズを買い込みたい(関東ファンあるある)。日本で唯一、敵チームよりオリックスファンの方が多いあのスタジアムの景色が見たい。ああ心の底から京セラに行きたい。

 皆さんの「夢野球旅」はなんですか?

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