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 イジメに耐えながら働きつづけている津田さん。まさにギリギリのところで踏みとどまっていたが、職場の先輩からA子が過去に犯した所業を聞いて戦慄したという。

「仲のいい先輩にイジメの相談をしたら『また始まったんだ』と言われたんです。なんでも、以前、私と同じポジションにいた前任者もA子さんにいじめられて、うつになって退職したそうです。しかもその女性は妊娠していて、因果関係はわかりませんが、その後流産してしまったらしくて……。

 A子さんが悪いのは当然ですが、事なかれ主義でその被害者の苦しみを黙殺した会社の体質にも絶望しました」

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悲劇は繰り返されるのか

 また、その話を聞いた津田さんは、入社前から抱えていたある疑問が解消されたと話す。

「内定が決まったあとに、人事担当者と面談をしたのですが『会社をやめたくなったら、3カ月以内ならば履歴書に職歴を書かずに済むからね』と言われたんです。まだ入社してもいないのに、なぜそんなことを言うのか不思議でしたが、おそらく彼は私がA子さんの標的になることがわかっていたんだと思います」

 津田さんは、今自分が置かれている状況と職の安定を天秤にかけて「もっといい会社があるはず」と、退職を決意した。現在は会社に籍を置きながら転職活動をしているという。

写真はイメージです ©iStock.com

「私が会社を去る原因が、A子さんにあることがより多くの社員に伝わるような方法で退職するつもりです。たしかに、会社にも“社員を簡単にやめさせられない”というしがらみがあるのはわかりますが、加害者が守られるのはおかしい。私の次に入ってくる人が不幸にならないような対策をしてほしいです。でも、現状を見る限り、まったく期待できないですけどね……」

 津田さんのあとを引き継ぐ“誰か”もまた、A子の標的になってしまうのか。組織が変わらなければ、悲劇は繰り返されるばかりだ。