厳しい暑さとコロナ禍に見舞われた今夏も、懸命に働いている社会人たち。ただでさえ過酷な状況にもかかわらず、職場の人間関係にまで悩みを抱えていたら、いずれ心が折れるのもムリはない。今回は、社内で恐れられている年上の女性社員、いわゆるお局様から陰湿なイジメを受けている女性に話を聞いた。
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怒りのスイッチが多すぎる20歳年上の先輩
津田麻美さん(仮名・25歳)は「職場の先輩から2年間“無視”をされている」と、ため息をつく。彼女は大手家具メーカーに新卒で入社し、営業部に配属された。そこでお局様として君臨していたのが、後に彼女を恐怖の渦に陥れるA子だった。
「A子さんは、中途採用で入った5年目の先輩で46歳の女性です。地味な見た目なのですが、とにかく性格がキツい。彼女は不機嫌になると、ものすごい音を立ててドアを閉めたり、壊しそうなほど強い力でキーボードで文字を打ち込んだりして、とにかく荒れ狂うんです。20人前後が同じフロアで働いていますが、全員が腫れ物に触るように扱ってます」
そのほかにも、仕事のミスを指摘されたときや、飲み会に自分が誘われないと機嫌を損ねるなど、怒りのスイッチが多すぎるのだが、部長すらも何も言えない状況だという。そんなA子が津田さんに牙を向けたのは、彼女が入社して3カ月しか経っていない新人時代だった。
ある日突然、「無視」が始まった
「ある日突然、A子さんに無視されるようになったんです。『おはようございます』と言っても返してもらえなくて、初めは聞こえてないのかと思ったのですが、数日間同じ状況だったのでさすがに気づきました。あいさつの無視は2年経った今も続いています」
あいさつをしなくなったと同時に、業務に関する最低限の会話も成り立たなくなった、と津田さん。A子に質問しても「なんでわからないかなあ!」と語気を荒げて何も教えてくれないという。
「私が一度もしたことない仕事すらも教えてくれないんです……。そういうときは、上司にA子さんが仕事を教えてくれない旨を相談し、もう一度A子さんのところに戻って『◯◯さんが教えてあげてと言っているので、どうかお願いします』と頭を下げて、やっと教えてもらえます」