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KAL機爆破事件実行犯・金賢姫が北朝鮮のテロに警鐘を鳴らす

大韓航空機爆破事件から30年。祖国への思いを明かした

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現在の金賢姫氏 ©文藝春秋

 核実験とミサイル発射を立て続けに行う北朝鮮への脅威論が声高に叫ばれていた、9月末。韓国・ソウルにあるホテルの一室に、数名のボディーガードに囲まれたひとりの女性が現れた。短く整えた髪は黒く、痩身に鮮やかなブルーのジャケットを纏っている。その女性は、はにかんだ笑顔を見せながら、こう言った。

「こんにちは。金賢姫(キムヒョンヒ)と申します」

 金賢姫氏、55歳。1987年11月の大韓航空機爆破事件(KAL機事件)の実行犯として知られる人物だ。1990年に韓国で死刑判決が確定するも、同年、盧泰愚大統領(当時)によって特赦された。その後、結婚して二児を授かり、現在は、韓国国内で主婦として静かに暮らしている。事件から30年という節目を迎える今年、祖国・北朝鮮への思いを明かした。

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 現在の北朝鮮について、金賢姫氏は次のように指摘する。

©共同通信社

「金正恩は不安定に見えます。若くて経験がない上に血気盛んな性格が現状(国際社会での孤立)を生んでいるように思えます」

 さらに、トランプ米大統領との激しい罵り合いについては、「大袈裟で激しい言葉を使いたがるのは北ではよくあること。弱いからこそ虚勢を張る。真に受ける必要はないでしょう」とした上で、「現在の北が意識しているのはアメリカなので、アメリカ人やアメリカに関係する何か(テロなど)はあるかもしれません」と警鐘を鳴らす。

©共同通信社

 インタビュアーの産経新聞客員論説委員・黒田勝弘氏が、KAL機事件に触れ、「30年という歳月は、長かったですか。それとも、あっという間でしたか」と訊ねると、一瞬言葉に詰まった金賢姫氏は、「本当に長かったです。振り返れば、辛い出来事ばかりでしたから……」と語り始めた。

「……あの事件は一生背負っていかなければならない十字架だと思っています」

 インタビューの全文は『文藝春秋』12月号に掲載されている。

文藝春秋 2017年 12 月号 [雑誌]

文藝春秋
2017年11月10日 発売

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