「アクセルが戻らなくなって、人をいっぱい轢いてしまった。お母さんはどうなっているかわからない。これから病院に行くから、当分、家に帰ることができない」
2019年4月19日、東京・池袋で乗用車を暴走させ、母子ら12人が死傷する大事故を起こした飯塚幸三氏(享年93)。高齢ドライバー問題が社会的注目を集めるなど、日本中に大きな衝撃を与えた事故はいかにして起きたのか。
長年取材を続けてきたTBSテレビ守田哲氏の新刊『池袋高齢者暴走事故 遺族と加害者家族の2060日』(文藝春秋)より「事故直後の飯塚氏の様子」をお届けする。(全3回の2回目/続きを読む)
◆◆◆
母娘が亡くなった「池袋暴走事故」
莉子ちゃんは、なぜ真菜さんと全く違う方向に倒れていたのか。状況を再度確認する。
まず、飯塚の車は西から東方向に暴走していた。第二現場に到達する寸前、白の軽ワゴンが飯塚の車の前を南から北方向に横切って難を逃れる。飯塚の車はその直後に横断歩道に突入し、親子用自転車に接触し、真菜さんのみが前に跳ね飛ばされる。
