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河野太郎、平井卓也、西村康稔、茂木敏充の“自民党パワハラ四天王”はどこへ向かうのか

2021/09/06
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 しかしながら、そういうときだからこそ担当する現場の士気を高めたり、疲弊しすぎないようにリソースを確保して長期戦に備えるといったアクションを取るべきところ、なにぶん周りがみんな馬鹿に見えるために、上手くいかない理由はお前のせいだぐらいに罵倒して回ることもあって、内側から「西村康稔さんはこういうことを言う人だ」というリークが続出することになります。マスコミ人としてはリークは基本的にありがたいのですが、西村さんが留学経験もある部下たちに対して「だからお前は頭が悪いんだ」とか「(自分の)言うことを理解できてから説明しに来い」などと罵倒して詰問する録音を聴くにつけ、溢れ出る涙を禁じ得ません。

 他の大勢いる前で「お前なんて、いつでも辞めさせてやれるんだからな」と西村康稔さんから素敵なお言葉を賜った皆さんで「西村康稔被害者の会」まで結成され、Facebook上では平井卓也さん茂木敏充さんと並んで「みんなが選んだ暴言集」まで編纂されています。

 冗談で済まないのは、これらの被害者である国家公務員はプロパーも官民人事交流で来た人も、みな自分の人生を政策や政府・省庁のために捧げるために集まっているわけで、パワハラを平気で行うハズレ上司に当たってしまうと、自分が10年、20年と頑張ってきたキャリアが台無しになる怖れがあります。地元では神童と呼ばれ、受験戦争を勝ち抜き、志を持って国家公務員試験に合格して霞が関に足を踏み入れた結果、お前よりも俺の方が賢いのだと思い込んだ政治家に面前で罵倒されて精神的に楽なはずがないんですよね。

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自民党きってのパワハラキング、茂木敏充氏

 その中でも自民党きってのパワハラキングと目されるのが、外務大臣としてアフガニスタン撤収の責任者でもある茂木敏充大先生です。週刊文春では、かつて、よりによってこの茂木敏充さんが「人づくり革命担当大臣」とかいうこれはいったい何のギャグなのかという人事を評する素敵な記事を提供して、永田町や霞が関に素敵な笑いを届けてくださいました。

安倍「仕事人内閣」を “必殺”身体検査
https://bunshun.jp/articles/-/3733

茂木敏充氏 ©️文藝春秋

 私の身近な事例で申しますと、茂木敏充さんから「この案件で報告しろ」と指示を受けた官僚が徹夜して翌朝まで仕上げた書類を大臣室にもっていくと、「そんな報告しろと言ってない。二度と大臣室に来るな」と叱責され、廊下で真っ白になっている姿が発見されて、気の毒すぎて誰も声を掛けられなかったという事案がございます。