この豆蔵ホールディングスの子会社の「ネクストスケープ」は、平井卓也さんのお膝元である内閣官房IT総合戦略室から東京五輪向けアプリの再委託先として6.6億円で受注していることも明らかになっています。控えめに言ってもヤバいレベルの利益相反じゃないかと思うんですよね。常識的にはこれ一発でデジタル大臣や個人情報保護委員会担当の内閣府特命大臣を辞任すべき状況なだけでなく、場合によっては議員バッジも返上しなければならないほどのスキャンダルのはずなのですが。
結果、この問題で周辺にさらに当たりちらし、第三者ではない調査委員会を作り、一連の大臣暴言や不適切発注を含む問題を「調査」し、問題のある役人や有識者がいたということで自分がやらかしたことは全部棚に上げて処分してしまうという狼藉にまで発展してしまいます。これから新しくデジタル庁が発足するぞというところで、パワハラ紛いの発言や不透明な取引を自ら手掛けておきながら、居座った挙句に自分でこしらえた委員会で都合よく調査報告書を作って、それを元に部下を処分というのは驚きを禁じ得ません。
やってることが江戸時代の悪代官そのものだと思うのですが、そういうパワハラ以上の問題に付き合わされているのが日本の官僚や有識者、学識経験者だとするならば、そりゃ自らの行く末を悲観して多くの若手官僚が霞が関を去ってもおかしくはないでしょう。
周りにいる人間がすべて馬鹿に見えてしまう西村康稔大臣
さらには、コロナ担当相に経済再生担当相を兼務して、官邸の重要政策を担った西村康稔さんも、パワハラが常態化してしまって大臣をお世話する秘書官が次々と交代してしまう惨事を引き起こしています。
西村康稔さんは自分自身が日本で一番賢く、周りにいる人間がすべて馬鹿に見えるという典型的なインテリ系パワハラ症候群を引き起こしていたと見られ、霞が関では量産型塩崎恭久の異名まで取ってしまう状況になっています。塩崎恭久さんは重要閣僚を歴任してパワハラに見合う重要政策も実現してきた人物ですが、西村康稔さんはコロナ担当相と経済再生担当相というブレーキとアクセルを両方踏んづける役職にあったため、菅政権が車体をスピンさせてしまう原動力にしかなってなかったように見受けられます。
「パワハラ疑惑」西村康稔大臣の秘書官が6月末でまたも交代
https://bunshun.jp/articles/-/47097
確かに新型コロナも、またコロナ禍の経済も、西村さんからすれば思い通りにいかない難題であることは間違いなく、また、西村さんの能力が足りなかったというよりは、誰がその任にあっても100点満点の仕事にはなり得ないという意味では同情すべき点もあります。