進学について、大切な岐路に立っている悠仁さま
二人の姉の眞子さま(24)や佳子さま(21)が小学生のときも同様だが、紀子さまは悠仁さまに対しても、生活の中で関心を持っていることを温かく見守り、様々な経験を重ねていくことを大事にしているように見える。科学博物館や美術館に出掛けたり、ワークショップに参加したりして、紀子さまは悠仁さまと一緒に、科学の不思議な世界を楽しみ、考え、そして理解を深める時間、あるいは、創りだす喜びの時間を持っているようだ。
私が初めて、秋篠宮さまに会ったのは、宮さまが紀子さまと結婚した翌年の平成3年2月のことだ。以来、個人的な宮さまとのお付き合いは続き、今年で25年となる。
今年に入って、私は、宮さまに小学校時代の様子を伺ったことがある。学習院初等科の高学年の頃は、日本の歴史にとても関心があったという。
その時、話題が、悠仁さまの進路に及んだ。お茶の水女子大附属小学校は男女共学だ。女子は、附属の高校まで進学できる。しかし、男子は、附属中学までは進学できるが、高校へは進めず、高校入学時に他校を受験しなければならない。こうしたことから、多くの男子が小学校6年生で、国立や私立などの中学校を受験することになる。小学校4年生の悠仁さまの周囲でも、男友達が進学塾に通い始めるなど、受験準備を始めているらしい。受験の準備をしている友達もいれば、そうでない友達もいる。悠仁さまも、まさに今、そのままお茶の水女子大附属中学校に進学するか、それ以外の中学校受験をするかどうかの大切な岐路に立っているのだ。
学校生活では、学年が上がるごとに、するべき事が増え、その質も求められていく。そして、その学年で学習することをしっかりと身につけられるように、復習もより大事になってくると、紀子さまは考えているようだ。
私は、既に両親が、悠仁さまが進んでほしい特定の学校や大学を想定しているのだと思っていた。しかし、両親の話を聞くうちに、この先、どの学校に行って学ぶのがよいかというような具体的な考えは、まだ、持っているようには感じられなかった。
悠仁さまが4年生から5年生へと進み、学校生活を送る中で、いろいろと考えを深め、家族と話し合いながら、自分の将来をじっくりと考え、決めていくのであろう。
遠くより我妹(わぎも)の姿目にしたるうまごの声の高く聞え来(く)
「虫捕りに来し悠仁に会ひて」とある平成22年の天皇陛下(82)の和歌だ。夏、幼い悠仁さまが、昆虫採集のため、両陛下の住まいである皇居・御所を訪れた。その際、遠くから、皇后さま(81)の姿を見つけて喜び、その声が聞こえてくるという大意らしい。祖母と孫とのほのぼのとした交流の場面が鮮やかに目に浮かんでくる。