「2回ですよね」「え、1回でしょ?」決して引かない2人
その(2)2021年8月23日
罪名:詐欺
被告人:無職の男性(48)
起訴されたのは、東京都内のダンススタジオで堀内孝雄さんの息子を名乗ってチケット代として2万5000円を騙し取ったという内容。
似た様な前科があって、谷村新司さんの息子や加山雄三さんの息子をかたってチケット代を騙しとる事件で受刑しているという常習犯なのです。法廷でも堂々としてなんとも人を食ったような態度。検察官からの被告人質問でも
検察官「何件くらいやってるんですか?」
被告人「4桁いってんじゃないですか」
検察官「よ……4桁……!? 今回出所してからですか?」
被告人「いや、前のも含めてね」
検察官「今回出所した後は何回やりました?」
被告人「70~80回ありますね、ほぼ毎日なので」
と全く悪びれてない感じ。そしてアクシデントはこの後です。
検察官「今まで2回正式な裁判受けてますよね?」
被告人「え? 1回でしょ?」
検察官「いや、2回ですよ。平成28年と平成29年」
被告人「裁判1回ですよ」
それは言ってて欲しいんですけど…
検察官が間違った証拠を持ってくることはないだろうけど、誤字脱字の可能性もあるし、被告人が忘れちゃってる可能性もあるし、どっちが正しいのかは分かりません。が、検察官もしつこく確認したんです。
検察官「記録上は2回なんです! 今回が3回目!」
被告人「2回なんかやってないから」
検察官「う~ん……以前行われた裁判で、もう二度とやりませんって裁判官に誓ったでしょ?」
被告人「言ってませんよ」
それは言ってて欲しいんですけどね。
検察官「言ってないんですか? じゃ、次の裁判では何て言いました?」
被告人「だから、1回しか裁判やってないから!」
検察官「同じことやれば刑務所に入るって思いませんでした?」
と質問した時に、被告人の溜まりに溜まった怒りが爆発したようで、
被告人「こんな所で暴れちゃうよ! 刑を延ばしたっていいんだから!」
と突然証言台を前に倒したんです。バターンと大きな音が響き、ざわつく傍聴席。そして裁判官が冷静に
裁判官「退廷を命じます」
これは不規則発言というか暴れての退廷命令になりますね。個人的にも証言台を倒した被告人は初めて見ました。それにしても検察官もなんでそんなに1回と2回の返答に拘ってたんですかね。