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4棟すべて違ったデザイン!

 密集する戸建て住宅の間にそびえ立つハイタウン北方は、一見すると日本ではないような、おしゃれでスタイリッシュな建物だ。

ハイタウンの向かい側はコンビニとドラッグストア 写真=あさみん

 ハイタウン北方を囲むように、コンビニ、食料品も扱うドラッグストア、郵便局、町役場、病院が建つ。すぐ近くには大型のショッピングセンター、それに面する幹線道路沿いにはあらゆる業種のロードサイド店舗が並び、生活に必要なものは徒歩圏内で大体揃う。さらに保育園と小学校がハイタウン北方に隣接し、すぐ近くには幼稚園と中学校もあり、子育て世代には安心だ。目の前のバス停からは岐阜駅行きのバスもあり、車に乗れなくても街へ出かけることができる。

ハイタウン北方 S-4棟(妹島和世設計)北側 写真=あさみん

 ハイタウン北方の設計は、建築家の磯崎新を総合コーディネーターとして迎え、4名の女性建築家が選ばれた。4名はそれぞれ1棟ずつ担当し、4棟はすべて違ったデザインではあるが、色形高さは似通っており、全体的に調和がとれている。 岐阜県公式ホームページに掲示されている、ハイタウン北方の基本コンセプトは以下の通りだ。

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●21世紀に向けた居住様式を提案し、素材の使い方、建築技術においても他の先導的モデルとなりうる設計。

 

●岐阜は日本の東西文化の交差点であることから、その考え方を広げ、東西文化の調和なども考慮した斬新な建物。

 

●地域・住民と融合できるようなオープンな空間。

 

●地元の人にとってのステータス・シンボル、ランドマーク的モニュメントにもなりうる団地。

1棟ずつ観察すると…

 これらのコンセプトがどのように実現されているのか、1棟ずつ見ていくことにした。

ハイタウン北方 S-1棟(高橋晶子設計)北側 写真=あさみん

 まず高橋晶子の設計であるS-1棟。北側から見ると、メタリックで冷たい印象のようだが、近づくとカラフルな壁がランダムに配置されていてとてもかわいい。貼り付けたような斜めに伸びる階段も印象的で記憶に残る。

ハイタウン北方 S-1棟(高橋晶子設計)南側 写真=あさみん

 南側に回るとまた雰囲気は変わる。整然と並んだ窓にランダムにつけられたベランダには、波状のコンクリート板がアクセントになっていておもしろい。

 ハイタウン北方の間取り図を見ると、田の字型に配置された部屋を可動式の建具と仕切りによって、自由に間取りを変えられるように設計されているようだ。