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――アーティストのライブ中はどうですか。いくら感染対策をしていても、好きなアーティストのライブが始まれば観客は興奮して盛り上がる。どうしても密になる可能性が高いのではないかと思いますが。

百瀬 私が見たかぎり、みんな周囲の人と1メートルくらい距離を取っていましたよ。フェス名物のクラウドサーフ(ダイブした人をほかの観客が頭上で持ち上げてステージ方向に運ぶ行為)なんてまったくなし。渋谷の街のほうがよっぽど密だと思いました。

 アーティスト側もとまどっている感じでしたね。「イエーッ! 盛り上がってる?」とか観客にあおりを入れるじゃないですか。でも、シーンとなっているので「あっ、声出せないんだよね。ルールを守ってくれてありがとう」みたいな感じ。

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「フェスだけ悪者にされるのはおかしい」

――「波物語」についてお聞きします。このヒップホップ系のフェスは、フジロックと違って充分な感染対策をしていなかったために大炎上しましたが、それについてどう思いますか。

百瀬 ノーマスクで密状態、お酒も飲んでいたんですよね。それは批判されてもしょうがないかな。そんな状況になるのが最初からわかっていたら、私はそのフェスに行かないと思います。

写真はイメージ ©️iStock.com

 ただ、好きなアーティストが出演していたら、もしかすると行っていたかもしれない。だって、フェスが開催されるっていうことは、そこに行ってもいいってことじゃないですか。

――なるほど。フェスが開催される以上、ちゃんとしかるべき感染対策が行われているはずであり、そもそも行ってはいけないイベントが開催されるはずがないという理屈ですね。

百瀬 そうです。私自身もフジロックに行く前にちゃんとPCR検査も受けたし、主催者が対策をして、出演者、フェスの参加者一人ひとりが気をつけるというのは大前提だと思います。

 それと、私が重視するのは、世間の人が言うことではなく、友だちとか周囲の温度感。友だちが「今回はやめておこう」っていう空気ならやめるし、友だちが大丈夫と言うなら行く。テレビが報道することよりも、そういう温度感のほうを信用しています。