――自分なりに対策したうえで、現地に行って楽しみたい。
百瀬 主催者も参加者もきちんと感染対策しているなら、人生一度きりなので、コロナ禍のフェスって面白そうだし楽しみたいじゃないですか。
でも、フェスって、そういう人生の楽しみがわからない大人たちから目の敵にされているところがある。プロ野球とかって、屋内でやっているのに何千人も観客を入れていますよね。フェスだけ悪者にされるのはどう考えてもおかしいと思うんですよ。
「フェスを批判するなら1回行ってきてほしい」
――たしかに、「波物語」のケースは問題ですが、音楽フェスを悪者にしておけばいいという世の中の空気は感じます。
百瀬 フジロックに行く前にツイッターを見たら「フジロック最悪、すぐやめろよ」とか「新潟は感染者数増えていないのに、なんでフェスなんかやるんだよ」とか、めちゃくちゃ悪く書かれていたんです。開催するなっていう書き込みしかなかった。
それを見て一瞬やめようかなと思ったんですが、実際に行ってみると、さっきも言ったようにすごくきちんと感染対策をしていた。先日、ワクチンの接種に行ってきたんですが、接種会場のほうがフジロックよりよっぽど密でした。
――なぜ音楽フェスばかりが叩かれ、悪者にされるんだと思いますか?
百瀬 フジロックには音楽好きの中年世代も多いんですけど、基本的にフェスっていうのは若者のカルチャーなんですよ。若者を中心に何千人何万人という人が集まり、アーティストが大音量で激しくパフォーマンスし、それを見てみんなが「ワーッ」って盛り上がる。
そういうのって、フェスに行ったことのない人からするとすごくイメージが悪いじゃないですか。体験したことのない人にとっては、酔っ払った若者がルールを無視して暴れている無法地帯のようなイメージ。だから、叩かれるのかなって思います。
――自分たちにとって未知のものだから、得体の知れないものだから、コロナに乗じてフェスを叩いていると。
百瀬 私はそう思います。よく知らずに音楽フェスを叩いている人には、とりあえず1回行ってみてくださいと言いたいですね。