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「今ここにある危機とぼくの好感度について」
渡辺あや脚本の痛烈で痛快な社会風刺ドラマ

主人公は「何か言ってるけど(意味があることは)何も言ってない」帝都大学の広報マン・神崎(松坂桃李)。着任早々、スター教授による論文の改ざん問題などに巻き込まれていく。対峙する小劇場の名優らが演じる“オジサン”たち。そこで露わになるのは権力組織のもつ隠匿体質や忖度、詭弁、保身の嵐。どこかで見た光景そのものだ。ひたすら笑えるけど日本の社会を思うと泣きたくなる痛烈なブラックコメディ。

●お話を聞いたのは……
勝田夏子さん(NHKエンタープライズ シニア・プロデューサー)

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1992年入局。「男たちの旅路」や向田邦子作品を観て育ち、海外ドラマ「女刑事キャグニー&レイシー」で地に足のついた大人の女性の描き方に感動。社会派作品を作りたいと入局し数々のドラマを演出、2014年、「軍師官兵衛」からプロデューサーに。

土屋勝裕さん(編成局編成センター 総合テレビ 副部長)

1994年入局。佐々木昭一郎など海外でも注目されるディレクターに憧れてNHKに。幼少期好きだったドラマは「必殺仕事人」。プロデューサー初作品は「龍馬伝」で、以来ドラマ制作に携わり、2020年に制作統括として朝ドラ「エール」を手がけた後、編成局に。