一定のスピードに加えて慎重さや丁寧さも求められる
各家庭から排出されるごみは、ごみ袋のまま出される場合、カラス除けネットが掛けられている場合、ごみバケツに入れられている場合、と様々で、それぞれの住居で相違する。その中でも、バケツからのごみの取り出しには、一定の要領や注意が必要となる。というのは、バケツの種類が多様であり、蓋を回して開けるタイプ、フックを外すタイプ等、様々な形状があり、どのように蓋を開けるのかが瞬時に分からず多少の時間が必要となる場合もあるからである。清掃車を走らせながらそれに合わせて各戸からのごみを積み込みながら作業を進めていくため、収集作業の遅れは清掃車の走行に影響し、ひいては通行人の通行の妨げとなる。よって、手際良い収集スキルが求められる。また、それらのバケツは外に出されて日光や風雨に晒されているため劣化が進んだものもあり、フックを外そうとするとバケツを損傷してしまう場合もある。慎重にごみを取り出したいところであるが、清掃車の走行に合わせて収集していくため、相応の作業スピードが求められゆっくりとはしていられない。また、ごみバケツの中には、ごみ袋に入れられたごみが入っている場合がほとんどであるが、袋詰めせずごみバケツを1つのごみ箱のように扱い、あらゆるごみをそのまま入れてあるものも存在する。その場合は清掃車のバケットまでバケツを持ち上げひっくり返して入れていくのであるが、先述のように中にはプラスチックが劣化したバケツもあり、慎重に扱わなければ破損させてしまうケースもある。破損させてしまうと弁償となるため極力丁寧に作業を行っていく必要がある。一定のスピードに加えて慎重さや丁寧さも求められる作業となるため、清掃職員は現場で矛盾する要求を突き付けられながら作業を行っている。
さらに戸別収集で作業員泣かせとなるのが、ごみか否かの判断がつかないモノがごみと共に置かれているケースである。家の前にごみ袋のみが出されていれば、ごみであると一目瞭然で認識できるが、ごみと共に古くなった園芸品や家財道具等が横に置かれている場合は、収集して良いのかの判断に困る。その際は当該住居に問い合わせてごみか否かを確認するが、確認が取れない場合は紛らわしいモノを残置し、後で問い合わせが清掃庁舎に来てから対応する。