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「派閥の一本化」が“消えた”総裁選…政治評論家が見る候補者「リアルな評価」と自民党「派閥長老軍団」が選挙前に考えていること

2021/09/21

 4人の候補者で争われる自民党総裁選。各候補への5点満点での評価と選挙戦略、その裏に潜む党長老たちの思惑を、政治評論家の篠原文也氏に聞いた。

政治評論家・篠原文也氏に聞いた「政治家の評価」と長老たちの思惑とは ©文藝春秋

河野太郎・行革相 ★4.6点「勝負所だが…」

河野太郎・行革相(58・麻生派・当選8回)は★4.6点 ©文藝春秋

 菅総理が出馬していれば、河野太郎さんは今回の立候補を見送ったでしょう。ここが勝負するタイミングだと決断したことは、評価します。しかし理想を言えば、1回早かった気がします。次回、満を持して出たほうがよかった。

 河野さんの発信力や突破力、実行力は、誰しも認めるところです。一方、以前から指摘されている調整力や気配りの不足、率直すぎる物言いについては、もう少し研鑽を積んだほうがいいと思うからです。

 今回の総裁選がにぎやかになったおかげで、総選挙で自公が過半数を割る事態は考えにくくなりました。そうなると問題は、来年夏の参議院選挙です。

 河野さんが政権を取ったとして、あのキャラクターで役所や官僚がついてこない状況に陥ったり、予算委員会などで野党から攻められたとき冷静に対応できるかどうか。自民党の国対関係者も「ボロボロになって短命政権に終わる可能性が、なきにしも非ずだ」と心配していました。

 石破茂さんに協力を要請したのは、1回目の投票で過半数を取って決着をつける一点に賭けるためです。党員の間で人気が高い石破さんと小泉進次郎さんが協力すれば、かなりの票数を期待できる。国会議員票が多少減ってもいいという計算です。

 その狙いが外れて決選投票になると、石破さんとの関係が悪い麻生さんや安倍さんの派閥からは、議員票の上積みが多くは見込めません。そうなれば、相手が誰になっても勝てるかどうかわからなくなります。

岸田文雄・前政調会長 ★4.6点「勝機が出るのは…」

岸田文雄・前政調会長(64・岸田派・当選9回)は★4.6点 ©文藝春秋

 発信力に乏しいという評価がつきまとってきた岸田さんですが、菅総理に敗れた去年の総裁選に比べれば、歯切れがよくなったし、訴えかける力強さが出てきたと思います。

 出馬表明の記者会見が、とてもよかった。一皮むけたなと感じました。質問が尽きるまで約2時間も続けたのは、いつも途中で打ち切ってしまう菅総理を意識したからでしょう。