全国ネットで放送されているメジャーなヒーロー戦隊ほど認知度は高くないが、地元では知らない子供たちがいないほど愛されているのが「ローカルヒーロー」たち。子供たちに夢と希望を与えるべく、地元で生まれ、地元に密着して活躍する日本全国のローカルヒーローたちを紹介しよう。(前後編の後編/前編から読む)

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【大阪府】敵は怪人「串カツラー」…「浪速伝説トライオー」

 阪神タイガースと漫才、大阪名物の食べ歩きが大好きな「浪速伝説トライオー」は、「大阪の笑顔と元気」を守るべく今日も戦っている。

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「浪速の商人の『変身ソロバン』で暗号をはじいて合体変身するなど、大阪らしい笑いの要素が入ったヒーローです。他のキャラクターもおもしろくて相棒のサポートロボットが『サイデンナー』。敵の『スベル族』もボスの『大阪のジョー』を筆頭に、怪人『ゴンタコ兄弟』『イカヤンキー』『串カツラー』と個性派揃いです」

 Web展開やヒーローショーに加え、2018年には「鳳神ヤツルギ」「忍者烈風」との劇場版コラボ作品『ヒーローズユナイト』が制作されている。

「関東圏に比べて関西圏のローカルヒーローは意外に少ないんです。そんな中でしっかり目立っているのがトライオー。テレビ放送やWeb配信も人気がありましたし、ヒーロースーツもしっかりした作りです。マスクデザインにスタッフがかかわっていたこともあって、秋田の超神ネイガーを師匠と呼んでいますね」

©ZEST

【和歌山】特技は「コント劇」…「時空機動隊カイセー」

 時空機動隊は「地球の自然を守るため未来からやってきたロボット達」で、和歌山、大阪など主に関西で活動を行っている。

「2007年にショーデビューしたカイセーは同業の間でも“中の人”のアクションに定評があることで有名です。もともと和歌山の空手道場・魁青会館の森本博明館長が、子供たちに空手を広めたいという思いから生まれています。スタッフはいくつかのチームが集まっているのですが、台本、ショーテープ班、アクション班と完全に分かれているため、高いクオリティなんです」

 誕生当初の時代背景もあって「エコアクションショー」などを行っていたが、近年はコント仕立てのステージで、『冗談が好きな陽気なヒーロー』として親しまれている。

「現在はコロナ禍もあってショー活動は行っておらず、短いコント動画などを作るのが精一杯ですが、明るく頑張りたいです」(時空機動隊・まちだみつのり氏)

©jikukidotai2021

【徳島県】ソロと思えないレベルの高さ…「蒼竜神マヴェル」

 四国を代表するヒーローが徳島県の「蒼竜神マヴェル」。徳島県を愛する心を持っていれば、誰でも変身できるという特徴を持ち、「徳島県の美しい自然環境、地域の伝統や文化、人々の心の環境、そして笑顔を護る事を旨とし活動している。戦いを望んでいる訳ではない為に、まずは会話をする事を心がけている」という正義のエコヒーローだ。