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警察キャリアの犯罪行為はアンタッチャブル

 ところが―。

 これは、あくまでもほかの省庁のキャリアに限っての話。警察キャリアは含まれていない。例外扱いとされているのである。仮に捜査の網に引っかかろうとも、見て見ぬふり。告発があっても、表沙汰にはしない。警察キャリアの犯罪は秘されたタブーなのである。

 事実、明らかに贈収賄を疑われ、それがメディアにも報じられながら、立件されない警察キャリアたちがいる。

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 しかも、事が発覚した後も長期にわたって警察機構に身を置き、のうのうと禄を食んでいた者さえ少なくない。直近の事例では、こんなことがあった。

 税金が投入される警察の業務等の発注で便宜を図り、見返りとして報酬を受けていながら、刑事罰を受けることのなかったキャリアがいたのである。

特権キャリア警察官 日本を支配する600人の野望』(講談社)

 一連のやり取りの最中には、相手方の若い女性経営者と不倫関係も結び、破廉恥な行為を繰り返していたことも明らかになっている。

 一般的に考えれば、贈収賄事件として捜査、立件されて当然の犯罪行為。汚職事件を担当する捜査二課の捜査陣が色めき立ってしかるべき事件だ。

 しかし、この事件の場合、そうではなかった。

 それどころか、まったく触れようとしない。恰好のネタが転がり込んできたじゃないか、と筆者が指摘しても、捜査二課の捜査員は黙殺した。自分たちのこととなると、貝になるのかと思いかけたが、過去には身内である捜査二課の捜査員を収賄で逮捕したことがあったから、そういうわけでもないらしい。

 つまり、二課の捜査員が動かないのは、相手がキャリアだからなのだ。日々鵜の目鷹の目で汚職事件を探し、端緒があればすぐさま捜査して徹底的に追い詰める彼らを押し止めるのは、その威光にほかならない。