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いつしか演技が「怖く」なっていった

 グラビアデビューの翌年からテレビドラマへ出演をはじめる。女優としてキャリアを一歩一歩積み重ねていく一方で、片山はいつしか演技が「怖く」なっていったのだという。


「やればやるほど、すごい楽しいというのもあったんですけど、もっとできるようにならなきゃいけない、もっとやらなきゃいけないと、必死でした。台本を読む時間も前はもっとあったのに、3、4冊一気に来ちゃう、みたいな。お芝居がどんどんプレッシャーになってきちゃいましたね」

©:舞山秀一

 そんな彼女を救ったのが、奇しくもコロナ禍だった。

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「心がギュッてしんどくなっていたところに、コロナ禍で仕事が1カ月以上ストップして。どうなっちゃうんだろう、コロナも怖いしっていう気持ちももちろんあったんですけど、ちょっと休憩みたいな気持ちになれて、気を抜くことができました。中断期間に考える時間ができて、もっと演技を楽しんでいいんだな、仕事って楽しいものでいいのかもしれないと思えるようになったんです。今も仕事のプレッシャーには心がギュッてなりますけど、そこに楽しんでもいいんじゃないかっていうエキスも入れて、やれるようになりました。不謹慎に聞こえてしまったら哀しいですけど、コロナでの中断に救われたんです。あの期間を無駄だと思いたくない、というのもあるかもしれませんが」

©舞山秀一